2022年5月30日
2022年3月期 決算について
株式会社AIRDOは、5月27日(金)、2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)決算をとりまとめました。詳細につきましては、別添の「2022年3月期 決算短信(非連結)」をご覧ください。
1.2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)の業績
(1)概況及び経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい影響が残るものの、一部持ち直しの動きがみられました。
国内航空業界においては、ワクチン接種等による行動制限の緩和により、航空需要は一時的に回復傾向にありましたが、その後の第6波による感染症再拡大の影響を受け、再び需要は減少に転じました。原油価格については、需要増加の期待感等により上昇傾向にあった中で、2月下旬のウクライナ情勢の急激な変化による影響等で高騰が継続しました。
このような状況の下で当社は、2021年10月の緊急事態宣言解除以降、特に年末年始につきましては、多くのお客様にご利用をいただきましたが、ウクライナ情勢の悪化や世界的な物価、金利の上昇とそれに起因する急激な為替変動の影響を受けるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。一方で、2020年度より取り組んできたコスト構造改革を進めるとともに、株式会社ソラシドエア(以下、ソラシドエア)との協業を軸とした「経営基盤の強化」に向けて準備を進めてまいりました。
従前より、減便や運航機材の小型化による直接運航経費や固定費の削減等に取り組んでまいりましたが、航空需要回復の見通しが依然不透明であるため、2021年7月に第三者割当増資による優先株式を発行し、安定的に事業を継続するための財務基盤の強化を図りました。
営業面では、2021年7月よりソラシドエアとの協業事業の一環として「ふたつの翼で全国を旅しよう」共同特設サイトを開設し、ポイント&マイル相互交換キャンペーンを実施しました。2022年1月には当社初となる「初日の出ツアー」及び「お正月デイフライト・ツアー」と題したチャーターフライトを実施しました。
また、北海道の観光振興の活性化を目的に、北海道と包括連携協定を締結する当社と株式会社ポケモンが連携し、きつねポケモンの「アローラロコン」と「ロコン」が機体の先から尾翼まで大きく描かれた特別塗装機「ロコンジェット北海道」を2021年12月に就航させました。
これらの結果、営業収入はコードシェアによる座席販売分も含め、27,313百万円(前年同期比56.9%増)となりました。
事業費は28,819百万円(前年同期比5.2%増)となりました。販売費及び一般管理費は3,229百万円(前年同期比7.4%増)、営業費用は32,048百万円(前年同期比5.4%増)となり、この結果、営業損失は4,735百万円、経常損失は4,692百万円、当期純損失は2,367百万円となりました。
【経営成績】
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増 減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
営業収入(百万円) | 17,413 | 27,313 | 9,900 | 56.9 |
営業費用(百万円) | 30,410 | 32,048 | 1,638 | 5.4 |
営業利益(百万円) | △12,996 | △4,735 | 8,261 | - |
営業利益率(%) | △74.6 | △17.3 | 57.3 | - |
経常利益(百万円) | △13,190 | △4,692 | 8,497 | - |
当期純利益(百万円) | △12,180 | △2,367 | 9,813 | - |
(2)運航実績、輸送実績
【運航実績】
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増 減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
運航便数(便) | 13,536 | 18,967 | 5,431 | 40.1 |
就航率(%) | 98.9 | 98.5 | △0.4 | - |
定時出発率(%) | 97.1 | 93.9 | △3.2 | - |
【輸送実績】
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増 減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
提供座席数(千席) | 1,554 | 2,433 | 879 | 56.6 |
旅客数(人) | 579,631 | 1,161,787 | 582,156 | 100.4 |
旅客キロ(千人キロ) | 547,830 | 1,091,204 | 543,374 | 99.2 |
座席キロ(千席キロ) | 1,465,586 | 2,295,617 | 830,030 | 56.6 |
(注)輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
【路線別座席利用率】
路線 | 前事業年度 | 当事業年度 | 備 考 |
---|---|---|---|
「札幌-東京」線 | 34.3% | 51.6% | |
「旭川-東京」線 | 43.1% | 40.6% | |
「女満別-東京」線 | 40.2% | 42.3% | |
「釧路-東京」線 | 42.2% | 46.8% | |
「帯広-東京」線 | 42.2% | 50.7% | |
「函館-東京」線 | 40.3% | 49.2% | |
「札幌-仙台」線 | 35.1% | 27.7% | |
「札幌-名古屋」線 | 43.9% | 57.7% | |
「札幌-神戸」線 | 22.7% | 37.8% | |
「函館-名古屋」線 | 30.2% | 39.9% | |
路線の平均 | 37.4% | 47.5% |
(注)路線別座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
(3)財政状態
【財政状態】
項目 | 前事業年度 2021年3月31日 |
当事業年度 2022年3月31日 |
増 減 |
---|---|---|---|
総資産(百万円) | 41,739 | 48,850 | 7,110 |
純資産(百万円) | 2,205 | 8,105 | 5,899 |
1株当たり純資産(円) | 47,431.08 | 19,499.37 | △27,931.71 |
自己資本比率(%) | 5.3 | 16.6 | 11.3 |
2.2023年3月期の見通し
わが国の経済動向については、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、経済活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される一方、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに加え、感染症拡大による影響についても引き続き注視する必要があります。
このような中で国内航空業界は、まん延防止等重点措置の解除以降、旅客需要は徐々に回復の兆しを見せてはいるものの、感染力の強い新たな変異株の発生と流行の可能性に鑑みると、未だ感染症再拡大が強く懸念される局面が続いております。これに加えて、原油価格の高騰や日米の金利差拡大を背景とした急激な円安の進行など、航空業界を取り巻く環境は依然として先行きの不透明な厳しい状況が続いております。
当社では、このような厳しい環境に適切に対応すべく、経営基盤のさらなる強化に向けて、5ヵ年(2022年度~2026年度)の「中期経営計画」を策定しました。本計画では「財務基盤の強化と成長軌道への回帰」を基本方針とした上で、将来の成長戦略を支える基盤形成と成長を確かなものにする施策を講じることで、再び成長できる体制を早期に構築する内容となっており、本年度より各施策の取り組みを開始しております。また、2022年5月30日にソラシドエアと「共同持株会社設立に係る契約書」を締結し、2022年10月の設立に向けて鋭意準備を進めております。
現下の新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとした国内外の情勢は日々刻々と変化しており、今後の見通しも不透明さは残りますが、当社は如何なる状況下においても安全運航の確保を最優先としたうえで、中期経営計画の着実な遂行を通じて、持続的な成長と企業価値の更なる向上を目指してまいります。
なお、2023年3月期の業績見通しについては、現時点において合理的に算定することが困難なことから未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。
以上