2021年5月31日

2021年3月期 決算について

 株式会社AIRDOは、5月28日(金)、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)決算をとりまとめました。詳細につきましては、別添の「2021年3月期 決算短信(非連結)」をご覧ください。

1.2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の業績

(1)概況及び経営成績

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動全体が大きく制限され、企業収益や景況感の悪化、個人消費の減退など総じて厳しい状況で推移しました。
 国内航空業界においては、「Go Toトラベル事業」等の政策による一時的な航空需要の回復がみられたものの、感染症の再拡大により依然として先行き不透明な状況が続いております。原油価格については、需要増加の期待感等により上昇しました。

 このような状況の下で当社は、感染症の影響による運休・減便等を余儀なくされ、事業・経営基盤が甚大な影響を受けました。特に北海道においては、第一波、第二波ともに全国の中でいち早く感染が拡大する等、厳しい状況が続きました。感染症の終息後も従来の需要まで回復するには数年を要するとの見解も示されていることから、費用構造の変革なしに経営を継続することは困難な状況であると認識しております。そのため、全社一丸となり可及的速やかに赤字を最小限にすることを目的として、以下の様々な施策を実行しました。
 コスト削減を図るため、需要動向や社会情勢を勘案し、月次にて翌月の運休や機材変更を継続的に実施したほか、直近の需要動向に応じても機動的な機材変更を行うことで直接運航経費の削減に取り組みました。また、使用しない機材の稼働を控除すること等で整備費等の固定費の削減や当社における初号機および2号機であるボーイング767-300ER型航空機2機の早期退役を進めました。更に危機克服構造改革プロジェクトを立ち上げ、社内横断的なコスト削減案を募り、様々な観点から見直しを図りました。
 営業面においては、コロナ禍の中、安心してご予約いただけるよう、予約変更に伴う手数料を期間限定で無料にさせていただく等、環境に応じた柔軟な取り組みをおこないました。また、北海道の翼ならではの視点から、北海道の魅力や情報発信を目的としたエア・ドゥ公式インスタグラムを開設しました。
 社会貢献活動としては、医療関係者の方々ならびに子ども食堂への機内食の寄贈、地元企業と連携して北海道応援メッセージの募集・発信等といった取り組みをおこなってきました。
 1998年12月の就航時より22年間にわたりご愛顧いただいた初号機(ボーイング767-300ER型機・機番JA98AD)の退役にあわせて、復刻フライトや公式Twitterアカウントを使用した情報発信等をおこない、お客様へ感謝の気持ちをお伝えしました。

 これらの結果、営業収入は旅客数が大幅に減少したこと等により、コードシェアによる座席販売分も含め、17,413百万円(前年同期比61.8%減)となりました。

 費用面では、運航便数の抑制に伴い航空燃油費等の直接運航経費が減少したこと等により、事業費は27,402百万円(前年同期比29.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、販売手数料等の営業関連費用が減少したこと等により3,007百万円(前年同期比29.7%減)となり、営業費用は30,410百万円(前年同期比29.7%減)となりました。
 営業費用の削減を強力に進めたものの営業収入の大幅な減少により、営業損失は12,996百万円、経常損失は13,190百万円、当期純損失は12,180百万円となりました。

【経営成績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
営業収入(百万円) 45,545 17,413 △28,131 △61.8
営業費用(百万円) 43,269 30,410 △12,859 △29.7
営業利益(百万円) 2,275 △12,996 △15,272 -
営業利益率(%) 5.0 △74.6 △79.6 -
経常利益(百万円) 1,629 △13,190 △14,819 -
当期純利益(百万円) 424 △12,180 △12,604 -

(2)運航実績、輸送実績

【運航実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
運航便数(便) 21,470 13,536 △7,934 △37.0
就航率(%) 99.1 98.9 △0.2 -
定時出発率(%) 93.1 97.1 +4.0 -

【輸送実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
提供座席数(千席) 2,969 1,554 △1,415 △47.7
旅客数(人) 2,037,934 579,631 △1,458,303 △71.6
旅客キロ(千人キロ) 1,912,774 547,830 △1,364,944 △71.4
座席キロ(千席キロ) 2,786,072 1,465,586 △1,320,485 △47.4

(注)輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

【路線別座席利用率】

路線 前事業年度 当事業年度 備 考
「札幌-東京」線 69.7% 34.3%
「旭川-東京」線 69.1% 43.1%
「女満別-東京」線 68.8% 40.2%
「釧路-東京」線 71.9% 42.2%
「帯広-東京」線 64.0% 42.2%
「函館-東京」線 66.4% 40.3%
「札幌-仙台」線 59.6% 35.1%
「札幌-名古屋」線 72.1% 43.9%
「札幌-神戸」線 62.7% 22.7%
「函館-名古屋」線 74.7% 30.2%
路線の平均 68.7% 37.4%

(注)路線別座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

(3)財政状態

【財政状態】

項目 前事業年度
2020年3月31日
当事業年度
2021年3月31日
増 減
総資産(百万円) 45,543 41,739 △3,803
純資産(百万円) 12,851 2,205 △10,645
1株当たり純資産(円) 276,364.05 47,431.08 △228,932.97
自己資本比率(%) 28.2 5.3 △22.9

2.2022年3月期の見通し

 わが国の経済は、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していく事が期待されておりますが、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要があります。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

 このような状況下において、2021年度経営方針では、「コロナ禍という不安定な需要環境を乗り越え、将来の成長に備える一年」とし、不安定な旅客需要に対応した運航計画・体制を講じるとともに、収益の改善を図り、二期連続の赤字を回避すべく経常利益ベースでの「黒字化」を目指しております。
 また、「構造改革」を柱として、①他社との連携や共創、②運営体制の見直しによる生産性向上並びにコスト削減、③財政基盤の整備、④増収施策の実行を推進してまいります。

 <2021年度経営方針>

  • WITHコロナ時代の不安定な需要環境を乗り越えられる事業運営の下、2021年度業績の「黒字化」必達
  • POSTコロナ時代を見据えた構造改革(他社連携・共創、生産性向上、コスト削減、財務基盤強化、新たな社会への対応)の遂行

 なお、2022年3月期の業績見通しについては、現時点において合理的に算定することが困難なことから未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。

以上

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