2020年5月29日

2020年3月期 決算について

 株式会社AIRDOは、本日5月29日(金)、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)決算をとりまとめました。詳細につきましては、別添の「2020年3月期 決算短信(非連結)」をご覧ください。

1.2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の業績

(1)概況及び経営成績

 当事業年度におけるわが国経済は、個人消費に持ち直しの動きがみられ、堅調な企業業績等を背景に、緩やかな回復基調が続いていましたが、年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気が足下で大幅に下押しされる結果となりました。また、北海道経済においても、インバウンド需要を中心に堅調に推移していましたが、感染症の影響が比較的早期に発生したこと等により、厳しい状況となっています。
 国内航空業界においては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、インバウンドの増加を背景に旅客需要は堅調に推移していましたが、感染症の影響により運休・減便等を余儀なくされ、先行きは不透明な状況が続いております。原油価格については、世界的に大幅な需要減少となっていること等により急落しました。

 当社は2019年4月に「2019~2023年度 中期経営戦略」を策定し、『北海道の翼として、私たちAIRDOは変革に挑戦し、お客様の期待を超える感動を提供します。』をビジョンとして掲げました。当社にとって「転換期」と位置づけ「人財戦略」と「機材戦略」を最重要課題の2本柱として定め、新たな事業構造への基盤構築に向けて取り組んでおります。このような状況のもと、感染症の影響を受けるまでの間においては、営業面・運航面ともに着実に施策を講じてまいりました。
 営業面においては、競争力のあるきめ細やかな運賃設定と需要予測に連動した精緻な座席コントロールを行ったことや、ゴールデンウィーク、夏休み期間を中心に臨時増便ならびに深夜便を機動的に設定し、利便性向上による増収を図りました。
 運航面においては、上期に定時到着率93.0%と特定本邦航空運送事業者12社中1位を達成しました(CIRIUM社調査による)。2019年9月には新機材としてB767-300ER型機1機を導入し、機内品質の向上を図るとともに、提供座席数の増加、予備機材としての活用による定時性向上・欠航率の低下に努めました。なお、導入にあたっては、北海道の金融機関を中心とした協調融資(シンジケート・ローン)を通じて資金を確保しました。また、2020年2月に、当社として初めてとなる「とかち帯広空港」発着の国際線チャーター便を運航し、道内のお客様の利便性の向上はもとより、就航先である台湾のお客様にも冬のひがし北海道の魅力を感じていただき、北海道観光の需要促進に貢献しました。

 これらの結果、中間会計期間としては旅客数が過去最多となる等、2020年3月期業績予想の上方修正を行い堅調に推移しておりましたが、年度末にかけて感染症の影響による航空需要の低下を受け、最終的には業績予想を下回ることとなりました。

 当事業年度における営業収入は、コードシェアによる座席販売分も含め、45,545百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
 費用面では、整備費の増加、原油価格の上昇等を主因とした航空燃油費の増加により、事業費は38,988百万円(前年同期比4.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、消耗品費の減少等により4,281百万円(前年同期比4.4%減)となったことで、営業費用は43,269百万円(前年同期比3.4%増)となりました。この結果、営業利益は2,275百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
 営業外損益において、営業外費用が増加したこと等により、経常利益は1,629百万円(前年同期比31.5%減)となり、当期純利益は424百万円(前年同期比61.4%減)となりました。

【経営成績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
営業収入(百万円) 44,872 45,545 +672 +1.5
営業費用(百万円) 41,827 43,269 +1,442 +3.4
営業利益(百万円) 3,045 2,275 △769 △25.3
営業利益率(%) 6.8 5.0 △1.8 -
経常利益(百万円) 2,378 1,629 △748 △31.5
当期純利益(百万円) 1,099 424 △675 △61.4

(2)運航実績、輸送実績

【運航実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
運航便数(便) 21,093 21,470 +377 +1.8
就航率(%) 98.2 99.1 +0.9 -
定時出発率(%) 90.8 93.1 +2.3 -

【輸送実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増 減 増減率(%)
提供座席数(千席) 2,835 2,969 +134 +4.7
旅客数(人) 2,129,570 2,037,934 △91,636 △4.3
旅客キロ(千人キロ) 2,003,743 1,912,774 △90,968 △4.5
座席キロ(千席キロ) 2,668,468 2,786,072 +117,603 +4.4

(注)輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

【路線別座席利用率】

路線 前事業年度 当事業年度 備 考
「札幌-東京」線 75.8% 69.7%
「旭川-東京」線 74.7% 69.1%
「女満別-東京」線 73.5% 68.8%
「釧路-東京」線 77.7% 71.9%
「帯広-東京」線 73.4% 64.0%
「函館-東京」線 73.9% 66.4%
「札幌-仙台」線 71.5% 59.6%
「札幌-名古屋」線 76.9% 72.1%
「札幌-神戸」線 72.0% 62.7%
「函館-名古屋」線 81.0% 74.7%
路線の平均 75.1% 68.7%

(注)路線別座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

(3)財政状態

【財政状態】

項目 前事業年度
2019年3月31日
当事業年度
2020年3月31日
増 減
総資産(百万円) 50,276 45,543 △4,733
純資産(百万円) 13,851 12,851 △1,000
1株当たり純資産(円) 297,882.56 276,364.05 △21,581.51
自己資本比率(%) 27.6 28.2 +0.7

2.2021年3月期の見通し

 我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により景気が急速に悪化しており、今後も極めて厳しい状況が続くと見込まれております。国内外の経済がさらに下振れするリスクも懸念され、個人消費の低迷や企業収益の減少による航空需要への長期的な影響は避けられない情勢となっております。

 このような状況下において、当社は運航計画の変更による航空燃油費等の運航関連費用の抑制を図りながら、営業関連費用や設備投資等の見直し、従業員の一時帰休等を通じたコスト低減に努めております。また、手元流動性の確保に向けた資金調達についても金融機関と調整を進めております。

 緊迫する実状に対処しながらも感染拡大の状況や景気動向等に注視し、需要の回復局面においては速やかに事業の回復を図り公共交通機関としての役割を果たすべく、全社一丸となって適切に対応してまいります。

 なお、2021年3月期の業績見通しについては、現時点において合理的に算定することが困難なことから未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。

以上

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