2019年5月30日

2019年3月期 決算について

 株式会社AIRDOは、本日5月30日(木)、2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)決算をとりまとめました。詳細につきましては、別添の「2019年3月期 決算短信(非連結)」をご覧ください。

1.2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)の業績

(1)概況及び経営成績

 当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、個人消費や設備投資等の内需を中心に持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続きました。北海道経済は、台風21号や北海道胆振東部地震等の自然災害により、観光業を中心に一時低迷したものの、震災以後の復興施策等により、緩やかな持ち直し傾向が続きました。
 国内航空業界においては、国内旅行や訪日外国人の増加を背景に旅客需要は堅調に推移していますが、引き続き航空会社間の競争は激しさを増しております。一方で、原油価格は上昇基調の動きが続いており、一層注視していく必要があります。

 このような状況の下、当社は2018年12月20日に就航20周年を迎えました。20周年記念事業の一環として「叶える翼キャンペーン」の実施や、北海道150年事業にもパートナー企業として積極的に参画したほか、新制服の導入等、「『北海道の翼』としてのオンリーワンの体現」に努めてまいりました。
 営業面においては、道東エリアにおける地域連携や更なる需要喚起を目的に、2018年5月に道東営業支店を帯広市内に開設し、地元自治体や企業との関係強化を図りました。さらに、北海道旅客鉄道株式会社と初のタイアップ企画商品「AIRDOひがし・きた北海道フリーパス」を発売し、大変ご好評をいただきました。運航面では、運航品質の改善に努め、多客期に実施した保安検査場の早期通過促進キャンペーン等により、定時出発率の向上に努めました。その他、お客様のニーズにお応えすべく深夜便等の増便を246便設定し、利便性の向上に努めました。サービス面では、羽田空港・新千歳空港に続き、帯広空港カウンターをリニューアルしました。なお、新千歳空港カウンターについては、機能性およびサービス介助士資格取得支援や車いすの操作訓練の実施といったソフト面の取り組みを高くご評価いただき、2018年10月に「平成30年度 北海道福祉のまちづくり賞」(福祉用具部門)を受賞いたしました。また、2019年3月には、"北海道の自然"を表現したオリジナルのシートカバーやUSB電源を採用したボーイング767-300ER型機を1機新たに導入し、機内品質の向上を図りました。

 一方で、当社は一昨年度冬ダイヤ期間より一部路線からの撤退および減便を実施しており、当事業年度はその影響の通年化から、運航便数は21,093便(前年同期比14.5%減)にとどまりました。

 これらの結果、当事業年度においての営業収入は、コードシェアによる座席販売分も含め、44,872百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
 費用面では、整備費が減少したことに加え、運航便数の減少に伴い航空燃油費等、直接運航経費が減少したこと等により、事業費は37,347百万円(前年同期比8.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、営業関連費用の増加等により4,479百万円(前年同期比8.5%増)となったことで、営業費用は41,827百万円(前年同期比6.9%減)となりました。この結果、営業利益は3,045百万円(前年同期比18.7%増)となりました。

 営業外損益において、営業外収益が減少したこと等により、経常利益は2,378百万円(前年同期比24.3%増)となり、当期純利益は1,099百万円(前年同期比0.5%減)となりました。

【経営成績】

項目 前事業年度 当事業年度 増減 増減率(%)
営業収入(百万円) 47,483 44,872 △2,610 △5.5
営業費用(百万円) 44,917 41,827 △3,090 △6.9
営業利益(百万円) 2,566 3,045 +479 +18.7
営業利益率(%) 5.4 6.8 +1.4 -
経常利益(百万円) 1,913 2,378 +464 +24.3
当期純利益(百万円) 1,105 1,099 △5 △0.5

(2)運航実績、輸送実績

【運航実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増減 増減率(%)
運航便数(便) 24,674 21,093 △3,581 △14.5
就航率(%) 98.5 98.2 △0.3 -
定時出発率(%) 90.1 90.8 +0.7 -

【輸送実績】

項目 前事業年度 当事業年度 増減 増減率(%)
提供座席数(千席) 3,006 2,835 △171 △5.7
旅客数(人) 2,165,481 2,129,570 △35,911 △1.7
旅客キロ(千人キロ) 2,042,180 2,003,743 △38,437 △1.9
座席キロ(千席キロ) 2,835,317 2,668,468 △166,848 △5.9

(注)輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

【路線別座席利用率】

路線 前事業年度 当事業年度 備考
「札幌-東京」線 74.0% 75.8%
「旭川-東京」線 73.2% 74.7%
「女満別-東京」線 73.0% 73.5%
「釧路-東京」線 75.3% 77.7%
「帯広-東京」線 67.6% 73.4%
「函館-東京」線 69.8% 73.9%
「札幌-仙台」線 65.4% 71.5%
「札幌-名古屋」線 62.4% 76.9%
「札幌-神戸」線 66.7% 72.0%
「札幌-岡山」線 65.2% 2018年 3月廃止
「札幌-広島」線 72.9% 2017年10月廃止
「函館-名古屋」線 68.1% 81.0%
路線の平均 72.0% 75.1%

(注)路線別座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。

(3)財政状態

【財政状態】

項目 前事業年度
2018年3月31日
当事業年度
2019年3月31日
増減
総資産(百万円) 45,535 50,276 +4,740
純資産(百万円) 13,227 13,851 +624
1株当たり純資産(円) 284,457.42 297,882.56 +13,425.14
自己資本比率(%) 29.0 27.6 △1.5

2.2020年3月期の見通し

 我が国の経済は、国際情勢における中国経済の減速や消費税増税の影響は懸念されるものの、国内における企業活動、また個人消費ともに堅調な推移が見込まれ、国内需要に牽引される形で緩やかな景気回復基調が継続するものと予想されています。
 航空業界においては、LCCの統合や大手航空会社による商品競争力強化の動きなど、より一層競争環境が厳しさを増していますが、一方で観光先進国実現に向けた訪日外国人旅行者の増加施策やラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックなどを控え、今後も航空需要の拡大が期待できる状況であると想定しています。
 このような環境認識のもと当社においては、「2019~2023年度 中期経営戦略」を新たに策定し、次の20年に向けた新たな挑戦をスタートさせます。将来に向けた変革を行うべく、人財への投資を最優先に取り組むとともに、機材更新の計画・準備を滞りなく進め、強固な生産体制を確立してまいります。また、運航品質の向上やサービス向上に努め、顧客満足度を高める各種取り組みを継続して実行してまいります。
 運航品質の向上については、2019年9月にボーイング767-300ER型機1機の追加導入を予定しており、快適な機内空間を提供するとともに、欠航率の低減、定時性向上および需要に応じた積極的な臨時便の設定を図ってまいります。特に定時性については、特定本邦航空運送事業者12社中 定時出発率上期1位を目標とし各種施策を実行してまいります。
 サービス向上については、訪日外国人旅客の増加に対応した地上および機内サービスの実施、またWebサイトの多言語対応に積極的に取り組み、ストレスフリーなご利用環境の整備に努めてまいります。
 当社は2018年に就航20周年を迎え、就航以来ご利用いただいているお客様をはじめ、支えていただいた全ての皆様に感謝の気持ちを忘れることなく、「北海道の翼」としてこれからも安全を最優先に、安心、満足いただける空の旅を提供すべく全社一丸となり取り組んでまいります。

 なお、2020年3月期の業績見通しは以下の通りです。

【2020年3月期業績見通し】

項目 前期実績
(2019年3月期)
予想 増減
営業収入(百万円) 44,872 45,700 +827
営業利益(百万円) 3,045 1,200 △1,845
営業利益率(%) 6.8 2.6 △4.2
経常利益(百万円) 2,378 700 △1,678
当期純利益(百万円) 1,099 500 △599

以上

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