2017年5月30日
平成29年3月期決算について
株式会社AIRDOは、本日5月30日(火)、平成29年3月期(平成28年4月1日~平成29年3月31日)決算をとりまとめました。詳細につきましては、別添の「平成29年3月期 決算短信(非連結)」をご覧ください。
1.平成29年3月期(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の業績
(1)概況及び経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費は総じてみれば持ち直しの動きが続き、企業収益や雇用情勢にも改善がみられる等、緩やかな回復傾向が続きました。北海道経済も、相次いで上陸した台風による被害もあり、需要・生産動向等の一部に弱い動きが見られたものの、緩やかな持ち直しの動きが続きました。
国内航空業界においては、訪日外国人旅行者の増加等好材料がある一方、競合他社との競争は激しさを増しています。また、原油価格は上昇基調に転じる動きもみられましたが、基調としては比較的低水準にて推移をしました。
このような状況の下、当社は 2016年11月14日に設立20周年を迎えることができました。そして、「2015~2018年度中期経営戦略」にビジョンとして掲げた「『北海道の翼』にふさわしい"オンリーワン"のエアライン」を目指し、安全運航の堅持(創業以来の「事故・重大インシデントゼロ」の継続)に努めるとともに、顧客満足度の向上を図るべく各種施策に取り組んでまいりました。
営業面においては、新たに「レベニューマネジメントシステム」を導入し、競争力のある運賃設定と需要予測に連動した精緻な座席コントロールに努めました。また、法人向けインターネット予約システム「AIRDO Biz」による法人販売の強化、航空券と宿泊施設・その他オプションを自由に組み合わせることができる旅行商品「AIRDO ダイナミックパッケージ」の展開等を進めたことに加え、エアライン初となる、「LINE(ライン)」と当社搭乗システムを連携させた「AIRDO ONLINE Service」を10月より開始し、LINEを介してQRコードの受取、予約照会、運航の見通しが確認できる等、お客様の利便性向上を図りました。また、12月より「旅」・「航空」・「北海道」をテーマとした新しいWebサイト「Yorimichi AIRDO」をオープンしたことに加え、年間を通じて札幌ドームに企業ロゴの掲出を行う等、多種多様な媒体を通じた情報発信を展開し、「北海道の翼」としての認知度向上にも努めました。
これらの結果、当事業年度において「札幌-東京」線の旅客数が100万人を超えたこと等から、全路線合計での旅客数が過去最多となったことにより、営業収入はコードシェアによる座席販売分も含め、49,088百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
費用面では、原油価格下落により航空燃油費は減少したものの、2015年10月に開設した3路線(「札幌-名古屋・広島」線、「函館-名古屋」線)の通年運航による直接運航経費の増加等により、事業費は43,019百万円(前年同期比2.6%増)となりました。販売費及び一般管理費は、営業関連費用の増加等により4,124百万円(前年同期比18.4%増)となったことで、営業費用は47,143百万円(前年同期比3.8%増)となりました。この結果、営業利益は1,944百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
営業外損益において、営業外費用が増加したこと等により、経常利益は1,188百万円(前年同期比11.4%減)となり、当期純利益は643百万円(前年同期比23.3%減)となりました。
【経営成績】 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
営業収入(百万円) | 47,334 | 49,088 | +1,753 | +3.7 |
営業費用(百万円) | 45,429 | 47,143 | +1,714 | +3.8 |
営業利益(百万円) | 1,905 | 1,944 | +39 | +2.1 |
営業利益率(%) | 4.0 | 4.0 | 0.0Pt | - |
経常利益(百万円) | 1,340 | 1,188 | △152 | △11.4 |
当期純利益(百万円) | 839 | 643 | △195 | △23.3 |
(2)運航実績、輸送実績
機材においては、季節によって多彩な表情を見せる"北海道の四季"を機体全体に表現した特別塗装機「ベア・ドゥ北海道JET」を7月より導入し、運航を開始しました。併せて、旭川空港開港50周年を記念したラッピング機を就航する等、地元自治体との連携強化を図ってまいりました。
運航面においては、週末(金曜日および日曜日)を中心として「札幌-東京」線に深夜便を運航したほか、「女満別-東京」線の機材大型化を図る等、お客様の利便性向上に努めました。
【運航実績】 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
運航便数(便) | 24,857 | 25,994 | +1,137 | +4.6 |
就航率(%) | 98.5 | 97.9 | △0.6Pt | - |
定時出発率(%) | 89.8 | 86.0 | △3.8Pt | - |
【輸送実績】 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
提供座席数(千席) | 2,889 | 2,983 | +94 | +3.3 |
旅客数(人) | 1,825,963 | 2,086,027 | +260,064 | +14.2 |
旅客キロ(千人キロ) | 1,696,585 | 1,954,770 | +258,185 | +15.2 |
座席キロ(千席キロ) | 2,694,975 | 2,804,844 | +109,868 | +4.1 |
(注)輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
【路線別座席利用率】 | 前事業年度 | 当事業年度 | 備考 |
---|---|---|---|
「札幌-東京」線 | 62.9% | 71.6% | |
「旭川-東京」線 | 67.1% | 70.4% | |
「女満別-東京」線 | 64.1% | 67.8% | |
「釧路-東京」線 | 63.3% | 70.9% | |
「帯広-東京」線 | 58.6% | 65.4% | |
「函館-東京」線 | 60.4% | 64.2% | |
「札幌-仙台」線 | 74.2% | 77.0% | |
「札幌-名古屋」線 | 48.4% | 67.8% | 平成27年10月開設 |
「札幌-神戸」線 | 49.3% | 61.5% | |
「札幌-岡山」線 | 58.8% | 60.6% | |
「札幌-広島」線 | 60.8% | 64.8% | 平成27年10月開設 |
「函館-名古屋」線 | 62.5% | 68.2% | 平成27年10月開設 |
路線の平均 | 63.0% | 69.7% |
(注)路線別座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
(3)財政状態
【財政状態】 | 前事業年度 平成28年3月31日 |
当事業年度 平成29年3月31日 |
増減 |
---|---|---|---|
総資産(百万円) | 47,690 | 45,226 | △2,463 |
純資産(百万円) | 9,999 | 11,847 | +1,847 |
1株当たり純資産(円) | 215,040.90 | 254,774.69 | +39,733.79 |
自己資本比率(%) | 21.0 | 26.2 | +5.2 P |
2.平成30年3月期の見通し
今後のわが国の経済状況は、海外経済の不確実性や金融市場の変動による影響に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種経済・金融緩和政策の効果もあり、緩やかな回復が続くものと期待されています。また、北海道経済も、個人消費に持ち直しがみられ、外国人観光客の増加が来道者数の伸長を牽引しており、緩やかな回復傾向が続くと予想されます。一方、当社を取り巻く環境は、引き続き原油価格や為替相場の動向に注意を要するとともに、国内航空各社との競争が一層激化するものと予想されます。
このような中、当社においては「中期経営戦略」の一部内容を見直し、『2017~2019年度中期経営戦略ローリングプラン』を策定しました。その初年度である2017年度においては、定時性を始めとする運航品質の向上や、「日本一好感度の高い航空会社」を目指し、顧客満足度を高めるための全社的な活動を着実に推進することで、「北海道の翼」としての次の飛躍や持続的な成長に繋げてまいります。
なお、平成30年3月期の業績見通しは以下の通りです。
【平成30年3月期業績見通し】 | 前期実績 (平成29年3月期) |
予想 | 増減 |
---|---|---|---|
営業収入(百万円) | 49,088 | 48,800 | △288 |
営業利益(百万円) | 1,944 | 2,000 | +55 |
営業利益率(%) | 4.0 | 4.1 | +111 |
経常利益(百万円) | 1,188 | 1,300 | +111 |
当期純利益(百万円) | 643 | 900 | +256 |
以上