星 奈津美

パイロットになるまでのHISTORY

星 奈津美
〇氏名 ︓
星 奈津美
(ほし なつみ)
〇入社 ︓
2018年度
〇略歴 ︓
北海道大学 理学部 地球惑星科学科 2016年卒
航空大学校へ進学しAIRDOへ入社

〇 Q1:パイロットになろうと思ったきっかけ

 パイロットを知ったきっかけは小学4年生で家族とディズニーランドに行くために初めて飛行機に乗ったことでした。窓からの眺めに感動し、一番前で大きい窓があるコックピットはさらに眺めがよいだろうなと思いました。
大学4年で就職を考える時期になり、人に必要とされる仕事がしたいと考えていました。北海道に住んでいたので飛行機が必要不可欠な乗り物だったことと、専攻していた気象の知識が役に立つものとしてパイロットを職業の一つの候補として考え、航空会社の自社養成パイロットと航空大学校を受験し、航空大学校に進学しました。
 大学卒業後にパイロットになるためには他にもパイロット養成コースのある私立大学への編入や自費での訓練という道もありますが、資金の面から私の選択肢にありませんでした。

〇 Q2:取り組んだこと・苦労したこと

 航空大学校の受験は、受験を決めてから一次試験の学科試験までの期間が短かったことと、大学の教職課程の教育実習や大学院入試とも並行して取り組んでいたので十分な対策ができませんでしたが、ダメもとで受験しましたが運よく合格することができました。その後の二次試験の身体検査や三次試験の会場となる東京、宮崎への旅費は自己負担となるため受験料を含めると十数万円の費用が必要でした。三次試験は1月で大学の卒業論文に取り組む時期でもあるため、担当の教授には三次試験の前に航空大学校を受験していることを伝えました。
 航空大学校では十数人の同期と約2年間の寮生活を共にし、パイロットとして働くうえで必要なチームワークと、かけがえのない仲間を得ることができました。最終課程のライセンス取得のための審査と同時期に航空会社への就職活動行うため、精神的にも身体的にも負担が大きく、先に就職先が決まった先輩や同期をとても羨ましく思っていました。

〇 Q3:学生時代から入社するまでに行った記憶・思い出に残っている事

 私は理学部地球惑星科学科に所属し、部活動は合気道部で活動していました。初心者として始めた合気道で三段を取得するほどのめり込み、OG・OBの社会人の方と関わる機会や、部活動の運営を通して、それまで苦手意識があったコミュニケーションに自信を持つことができました。
 勉学面では道内各地でのフィールドワークを行い、自身の生まれ育った北海道の自然の魅力を感じる日々でした。特に気象の観測の方法と予想の難しさ、面白さを学ぶことができました。観測のために北海道滝川市でグライダーに乗り、高度3000メートルの高さから約30分間の飛行をしたことが私の小型機での最初の飛行経験で、乗り物酔いがひどかったことも含めてとても良い思い出です。今思えば国内の空港の気象観測装置と比べても遜色ない装置を当時の研究室は所有し、大変恵まれた環境で研究をすることができました。

〇 Q4:AIRDOのパイロットとしてのきっかけ(やりがい含む)

 私はパイロットとして働くならば、地元の北海道に住む人、訪れる人を乗せたいという想いがありました。そのため北海道に路線をもつ航空会社を中心に就職活動を行い、AIRDOに入社しました。AIRDO初の女性のパイロットとして採用されたために社内外での反響が大きく、パイロットとしてデビューする際には北海道のテレビや新聞に取り上げられたことは恥ずかしい反面、多くの人に応援していただくことができ、とても励みになりました。
 飛行機の運航に関しては、季節や時間帯によっては霧や乱気流が発生しやすく、厳しい状況も度々発生します。特に冬季は雪の影響を受けるために厳しい環境の中でもパイロットは地上のスタッフとともに綿密に運航計画を立てフライトに臨みます。運航を開始すればパイロットは安全のために離陸中止の判断をすることや、目的地上空で引き返す決断をすることもあります。様々な状況適応し常に緊張感を持って運航するからこそ安全に一つの便を終えた時の達成感はひとしおで、コックピットからの素晴らしい眺めもパイロットの仕事のやりがいの一つです。

〇 Q5:AIRDOの自社養成を目指す方への応援コメント

 パイロットは職業として、目指すにはハードルが高いと感じるかもしれません。実際に私も航空大学校での訓練中でさえ、旅客機のパイロットとして働くイメージは持てずにいました。しかし、AIRDOに入社し数多くの仲間に支えられ、日常運航が成り立っていることを知りました。学生の頃は全て自分で乗り越えなければならないと思っていましたが、自分だけで乗り越えられる壁は少なく、周囲の仲間と協力するからこそ大きな仕事ができるのだと実感しています。社員は同じ目的を持った仲間で、お客様は自分の家族や友人だと思って仕事をしています。毎回のフライトで関わるスタッフやお客様、気象などの条件が違うために、毎日いろいろな気づきや成長があるのもパイロットの仕事の魅力のひとつです。パイロットになるためには身体検査の条件もあり、自分の努力だけではかなわないこともあります。だからこそ少しでも興味があれば挑戦してみてほしいです。

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