北海道最古の商店街・狸小路の「狸小路市場」は、
味も雰囲気も抜群のイイ店揃い!(1)

北海道最古の商店街・狸小路の「狸小路市場」は、
味も雰囲気も抜群のイイ店揃い!(1)

2024.11.29

札幌中心部の東西にのびるアーケード街・狸小路は、始まりが明治6年(1873年)という北海道でも最古の商店街のひとつ。東端の1丁目から7丁目まで7ブロック、約900mの通りに、飲食店やファッション、生活雑貨、食料品店など種々雑多な約200店が軒をつらねています。近年は水族館「AOAO SAPPORO」など新施設も誕生し、昼も夜も大賑わいの活気に満ちたスポットです。

※本記事は2024年11月時点の情報です。実際の来訪の際には電話、店舗SNSなどで最新情報をご確認ください。
※価格はすべて税込みです。

華やかな商店街で異彩を放つシブい看板

そんな狸小路の6丁目にあるのが、昭和初期開設の「狸小路市場」。周囲の華やかさとは一線を画す白地に黒文字の激シブ看板の奥に、狸小路から南3条通りへ抜ける細い路地が続き、その両側に小さな店が並んでいます。

▲開設から90年以上という市場。看板の「歴史と伝統」の文字は伊達ではありません

市場の中は狸小路屈指のグルメストリート

「市場」というだけに、かつては豆腐店や総菜店、酒屋などいわゆる商店もありましたが、ここ15年ほどで店の入れ替えが進み、現在は全13店のうち10店が飲食店に。その上、いずれの店も味のレベルが高く、狸小路の穴場グルメスポットとして知られています。今回はその中から、バラエティに富んだ5軒をピックアップ!味も雰囲気も抜群のおすすめグルメをご紹介します。

▲アジアンチックで雑多な空気感の「狸小路市場」。ここに食通も唸らす名店が......

コの字カウンターの下町感がたまらない!「もつ焼き・煮込み いなり」

1軒目は、東京の下町酒場を思わせる風情が魅力の「もつ焼き・煮込み いなり」。名前の通り、もつ焼きや煮込みが看板メニューの大衆酒場です。開店は2011年ですが、店の造りは昭和感プンプン。大人には懐かしさがたまらなく、また若者には新鮮さがあるようで、開店からびっしり老若男女で席が埋まります。

▲平日・週末問わず、席待ちで行列ができることも。行列を避けるなら開店直後が狙い目

この味を出すまで10年!こだわりの煮こみ

開店当時から現在まで店長を務める服部功さんの、思わず"大将!"と声をかけたくなるたたずまいも、この店の雰囲気作りに一役買っています。そんな大将のおすすめは、赤味噌ベースでコクのある「煮こみ」。脂身の多い牛ホルモンは煮込み過ぎると溶けてしまうため、味の染み込み具合を見極めながら、繊細に火入れをしていきます。「この味になるまで、10年かかりましたね」と服部さん。食べてみると味噌のコクと牛ホルモンの旨み・甘みが口の中でとろけて、これはビールがないとやってられません。

▲コの字カウンターの中で、煮こみの味をチェックする服部店長
▲プルプルの脂が口の中で溶ける「煮こみ」(680円) と、赤星の愛称で知られるサッポロビールの「瓶ビール」(650円)

昔ながらのハムカツには一工夫

手書きのメニューで壁が埋まるほど品数豊富な「いなり」。どれもおいしそうで目移りする中、「ハムカツ」の文字にぐっと惹かれていると、隣に「ハムカツ玉子」という見慣れないメニューを発見。服部さんいわく「ハムカツと玉子焼きを一緒に盛っただけ」という一品ですが、食べてみるとハムカツと半熟の玉子焼きが不思議と良く合い、なんだか実家に帰って来たようなほっこりとした気持ちに。ビールもいいけど、焼酎にも合いそうです。

▲サクッと揚がった厚めのハムカツに玉子焼きを添えた「ハムカツ玉子」(650円)

<DATA>
もつ焼き・煮込み いなり
住所:札幌市中央区南3条西6丁目 狸小路市場内
TEL:011-232-2538
営業時間:16:00~23:00(LO22:00)
定休日:日曜(連休時の場合は変動あり)

大衆酒場の風情と味、大将の人情味に1軒目から大満足。2軒目への期待もおのずと膨らみます。次記事でも、狸小路市場のおすすめグルメをご紹介します!

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮川健ニ(亜璃西社)

撮影:亀畑清隆

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