日本最大の湿原・釧路湿原を体感する3つの楽しみ方

日本最大の湿原・釧路湿原を体感する
3つの楽しみ方

2026.9.24

北海道東部にある国内最大の湿原「釧路湿原」。湿原面積は22,070ヘクタール(湖沼含む)で、これは東京ドーム約4,720個分、東京都・山手線の内側エリアなら約3.5個分に匹敵するという、想像を絶する広さを誇ります。1980年には、国際的に重要な湿地の保全を目的とした「ラムサール条約」の、日本国内第1号の登録湿地に登録。1987年には、その広大な湿原部分と湿原東部の海跡湖、周辺丘陵部を含む26,861ヘクタールが国内28番目の国立公園に指定され、2011年には28,788ヘクタールまで公園面積が拡大されました。広大な湿原では、日本の原自然ともいうべき太古から変わらない景観、国の特別天然記念物タンチョウをはじめとする貴重な動植物など、ここならではの手つかずの自然と触れ合うことができます。
とはいえ、あまりに広すぎるため、どのように巡って楽しめばよいのか、迷う方も多いのでは。そこで今回は、釧路湿原を余すことなく満喫するための「3つの楽しみ方」をご提案。ぜひ釧路湿原巡りの参考にしてみてください!

※本記事は2026年6月時点の情報です。おでかけの際は各公式サイトにて最新情報をご確認ください。
※価格はすべて税込みです。

湿原内に点在する展望台から絶景を楽しむ

▲湿原東部の高台にある細岡展望台。JR釧路湿原駅から徒歩でもアクセス可

釧路湿原を満喫する最初のアプローチとして欠かせないのが、展望台からの湿原観賞です。湿原内や周囲の高台には複数の展望台が設けられており、それぞれで異なるパノラマビューを堪能することができます。
まずは、最も定番とされる「細岡展望台」へ。ここからは、湿原の中をゆったりと蛇行しながら流れる釧路川と共に、雌阿寒岳(めあかんだけ)や雄阿寒岳(おあかんだけ)の山並みも遠望することができます。夕暮れ時の景観も素晴らしく、果てしなく広がる湿原と夕日に照らされて黄金色に染まる釧路川の流れは、まるで絵画のような美しさです。

▲細岡展望台からは、湿原を流れる釧路川も望める
▲晴れた日の日没時には、湿原や釧路川が夕焼けに染まる感動的な景色が見られる
▲展望台の近くには広い駐車場も完備

一方、湿原の西側に位置する「釧路市湿原展望台」では、展望室や屋上から大湿原と釧路市街の広々とした風景が楽しめます。また周囲には1周約2.5kmの湿原展望台遊歩道が整備され、途中にある「サテライト展望台」からは、サバンナを思わせる大湿原を見渡すことも。時計回りで「サテライト展望台」へ向かうコースはバリアフリーなので、誰もが安心して絶景を楽しめるのもおすすめのポイントです。

▲釧路市湿原展望台は、湿原にある「谷地坊主(やちぼうず)」をモチーフにした個性的な外観
▲釧路市湿原展望台の展示室にある「谷地坊主」の内部を紹介する模型
▲建物内には、湿原の歴史や動植物を紹介する資料展示室もある(有料)
▲遊歩道の途中にあるサテライト展望台
▲サテライト展望台からの景色。海抜80mの高さから湿原を一望できる
▲湿原展望台遊歩道は、時計回りは比較的平坦(写真)。反時計回りの方はけっこうアップダウンがある

さらに、穴場として知られるのが「コッタロ湿原展望台」。こちらからは、より手つかずの野生味あふれる原生的な景観が眼下に広がります。湿原のなかに無数の小川や沼が点在し、タイミングが良ければエゾシカやさまざまな野鳥の姿を観察することもできます。

▲釧路湿原の中でも太古の自然をほうふつとさせる景観が残るコッタロ湿原

展望台巡りでは、どの時間帯に行くのかも重要なポイントに。朝霧に包まれる神秘的な早朝、青空がどこまでも映える日中、そして地平線に沈む太陽が湿原全体を優しく包む夕刻。それぞれ魅力があるので、狙いの時間帯を定めて、その時だけの絶景を楽しんでください。

<DATA>
細岡展望台
住所:釧路郡釧路町字達古武22-9
TEL:0154-40-4455(細岡ビジターズラウンジ)
公式サイト:https://ja.kushiro-lakeakan.com/things_to_do/3651/

釧路市湿原展望台
住所:釧路市北斗6-11
TEL:0154-56-2424
営業時間:【4月~9月】8:30~18:00、【10月~3月】9:00~17:00 
定休日:年末年始
入館料:2階展示室のみ一般・大学生480円、高校生250円、小・中学生120円ほか
公式サイト:https://ja.kushiro-lakeakan.com/things_to_do/3639/

コッタロ湿原展望台
住所:川上郡標茶町コッタロ
公式サイト:https://ja.kushiro-lakeakan.com/things_to_do/3646/

木道で大湿原の自然を間近に感じる

▲湿原の奥まできれいに整備された木道が続いている

展望台からその圧倒的なスケールを堪能した後は、いよいよ湿原の懐へと入り込んでみましょう。釧路湿原には、初心者から本格的な散策を楽しみたい方までに対応した木道ルートがいくつか設置されています。なかでも代表的なのが「温根内(おんねない)ビジターセンター」を起点とする温根内木道です。
平坦な湿原の奥まで続く約3kmの木道で、所要10分の「小回りコース」、所要約40分の「中回りコース」、所要約1時間の「大回りコース」の3コースを用意。体力や時間に合わせて、湿原の自然を感じながらのんびり散策することができます。

▲起点の温根内ビジターセンターから1.1kmの場所にある展望テラス
▲木道からは湿地帯と低木の湿原らしい景観が楽しめる
▲運が良ければ、エゾシカなど野生動物が姿をあらわすことも

木道散策では、見渡す限りに広がる湿原の景観はもちろん、木道脇の足元にもご注目を。春のエゾネコノメソウやオオバナノエンレイソウ、夏のカキツバタや秋のコガネギクなど、湿原のあちこちで季節の草花が可憐に咲いています。
耳を澄ますと、野鳥たちの楽しそうなさえずり。湿原をわたる爽やかな風と緑の匂い。湿原に抱かれながら、心がみるみる洗われていくのを感じるはずです。
散策の際は歩きやすい服装と靴で。花や植物を採らない、ごみを捨てないなどマナーを守って楽しみましょう。

▲木道の起点となる温根内ビジターセンター

<DATA>
温根内木道
住所:阿寒郡鶴居村温根内
公式サイト:https://www.kushiro-shitsugen-np.jp/sansaku/onnenaimokudo/

カヌーなどのアクティビティで湿原を体感!

▲釧路湿原のアクティビティと言えば、やっぱりカヌー!

釧路湿原の自然の中に溶け込むなら、湿原内で体験できる各種アクティビティもおすすめです。なかでも一番人気は、やっぱり「釧路川カヌーツーリング」。釧路川の上~中流域はダムなどの人工物が一切なく、自然そのままの姿で湿原を突き抜ける全国でも大変珍しい一級河川です。カヌーに乗り込み水面に近い目線から見上げる湿原は、陸上からのものとはまったく異なる表情を見せてくれます。
静かにパドルを漕ぎ進めると、聞こえるのは水のせせらぎと自分の漕ぐ音だけ。川辺の低木が生い茂る緑のトンネルをくぐり抜けたり、穏やかなカーブを曲がるたびに、新しい風景が待っています。タイミングが合えば、水中を素早く泳ぐアメマスや水面近くを飛び交うコバルトブルーのカワセミ、川岸で水を飲むエゾシカなど、野生動物たちの日常をそっと覗くような特別な場面に出合えるかも。
ツアーでは、ベテランの現地ガイドが同乗または先導してくれるため、初心者や子ども連れの家族でも心配ありません。湿原の成り立ちや動植物の生態についての興味深い解説を聞きながら、安心して湿原クルーズを満喫できます。滔々と流れる釧路川の上から、湿原の深部を観賞する体験は、きっと一生モノの思い出になるでしょう。

▲釧路湿原では、さまざまな催行会社がカヌーツアーを実施。予算や日程等で選ぼう
▲釧路湿原で羽を休めるタンチョウ。タンチョウは冬のイメージだが、一年を通して湿原周辺で生息している

雄大なスケール感に圧倒される「展望台からの眺望」、湿原の生命力を間近で感じる「木道散策」、そして水の流れと一体となって湿原深部を冒険するカヌーツアーなどの「アクティビティ」。これら3つを組み合わせることで、釧路湿原の持つ自然の力強さ、そして多様な生き物を育む優しさを、五感のすべてで満喫することができます。
本物の感動が待つ日本最大の湿原を目指して、道東エリアを旅してみてはいかがでしょう。

<DATA>
釧路湿原
住所:釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村
TEL:0154-31-1993(釧路観光コンベンション協会)
※釧路湿原内の各施設や各アクティビティの情報は下記サイトを参照
https://ja.kushiro-lakeakan.com/

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮川健二

撮影:亀畑清隆

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