SHIROの砂川本店でしか体験できない!味わえない! 限定品が目白押し「みんなの工場」(1)

SHIROの砂川本店でしか体験できない!味わえない!
限定品が目白押し「みんなの工場」(1)

2024.06.06

札幌市から車で約1時間。北海道中部に位置する砂川市に、道内外から多くの人々が訪れるスポットがあります。それは、限定品が発売されると瞬く間に完売となる、北海道発の大人気コスメティックブランド「SHIRO」の本店であり、製造拠点でもある「みんなの工場」です。今回は同施設にお邪魔し、SHIROの歴史や、ものづくりにとどまらないさまざまな取り組みなど、お話をうかがってきました!

※本記事は2024年4月時点の情報です。ご来場の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。

生産者さんの想いに寄り添う "ものづくり"

フレグランスをはじめ、スキンケア、メイク用品などを取り揃える、北海道発のコスメティックブランド「SHIRO」。2023年4月に、創業地である北海道砂川市に「みんなの工場」をオープンさせ、1年で約30万人が来場。SHIROファンだけでなく、地元住人や旅行客も足を運ぶ、北海道を代表する人気スポットになりつつあります。

SHIROが自社ブランドを立ち上げたのは2009年。当時はLAUREL(ローレル)という名で、フレグランス製品を中心に展開していましたが、現在のSHIROの礎となったのは、SHIROの会長兼ブランドプロデューサーである今井浩恵さんが素材探しの旅の中、トルコにてローレルを育てる生産者さんに出会ったことでした。

▲「みんなの工場」内にSHIROの歴史をたどれるコーナーもある

ローレルの葉は料理や薬として買い手が見つかりやすい一方、果実は香りが強すぎるゆえ需要がなく捨てていました。葉の出荷だけでは商売として厳しく、いつしかトルコではローレルを育てる人が減少──そのような話を現地の生産者さんから聞いた今井さんは、ローレルの果実を使った製品をつくり、生産者さんを何とかしたいと思ったそう。そこで生まれたのが、ローレルオイル99%の石けん「ローレル石けん」でした。

結果、香りの強さから、ローレル石けんは程なくして販売終了となりましたが、この体験は無駄に終わりませんでした。現地まで行き、生産過程や生産者さんの顔を見ることで、素材の裏に隠されている "想い" に触れられるからです。これこそSHIROがものづくりを行なう上で、「旅とそこでの出会い」を大切にする理由。

事務局の笹木舞子さんは言います。

「当社の主力製品『がごめ昆布シリーズ』の原材料である、がごめ昆布との出会いもそうでした。現地の生産者さんと出会い、加工段階で出る、昆布の切れ端を廃棄していると聞き、素材を余すことなく活用して生産者さんに還元したいという発想から生まれました」

SHIROの製品には、そのようなドラマが秘められているのです。

▲現地まで出向いて見つけた素材でつくった製品

「みんなの工場」から始まった "まちづくり"

著名人の口コミをきっかけに、瞬く間に大人気コスメティックブランドへと成長。生産量を拡大するため、工場移転・新設の構想が浮かびました。

「会社が所有している広い土地があったので、創業の地である砂川市につくろうということになりました。ただ、そこに働く人が集まるだけではいけないと今井は考えました。砂川市や地域の方々からも必要とされ、まちも人も元気になるような場所にしよう、となったのです」と笹木さん。

そこで、2021年6月から、工場新設と砂川市全体の活性化を目指すまちづくり「みんなのすながわプロジェクト」を発足。地域住人をはじめ、プロジェクトに興味をもつすべての人々とワークショップや議論をていねいに重ね、新工場オープンに向けて準備を進めました。

▲「みんなの工場」は、さまざまな人々の想いが詰まった場所

そして、約2年のプロジェクト活動を経て、「みんなの工場」がオープン。
ガラス1枚隔てた向こうに働く人々がいる一方、キッズスペースで遊ぶ子どもたち、ラウンジで読書やおしゃべり、お昼寝をする人たち、カフェで食事を楽しむ人、なかにはワンちゃん連れの家族の姿も。誰も何も排除することなく、"みんな" が集える場所が完成しました。

まちと資源を次世代へ引き継ぐ "みらいづくり"

リニューアルによって余った香料やボトルを廃棄せず活用した「ZERO COLLECTION FRAGRANCE(ゼロ コレクション フレグランス)」に代表されるように、SHIROは "新しくつくらない、新たなものづくり"に取り組んでいます。それは製品だけでなく、「みんなの工場」や2024年春に北海道長沼町にオープンした一棟貸し宿泊施設「MAISON SHIRO(メゾンシロ)」の随所にも見て取れます。

▲間伐材を使った本棚や床、廃材を使った大テーブル

例えば、「みんなの工場」の外壁やフローリング、本棚、カフェにてピッツァを焼くときに使う薪などは、森林維持のために伐った間伐材を使用。ラウンジにある大テーブルは、砂川にある保養所を改築する際に発生した廃材を活用。人の都合で資源を使うのではなく、森の都合で生まれた資源をいただくという発想で、ものづくりを一貫しています。

「将来的には、製品づくりの際に出る残渣などをコンポストで堆肥にし、それを活かして栽培した野菜をカフェで提供することも考えています。私たちは、自然の恵みをたくさん受け取ってきました。だからこそ、地球環境に与える負荷をできるだけ軽減したい。そうすることで、持続可能な未来をつくれると考えています」

次記事では「みんなの工場」でしか体験できないマイフレグランスづくりを紹介します。
SHIROの砂川本店でしか体験できない!味わえない! 限定品が目白押し「みんなの工場」(2)

<DATA>
みんなの工場
住所:砂川市豊沼町54-1
TEL:0125-52-9646
営業時間:工場10:00~17:30、ショップ10:00~19:00(ブレンダーラボ最終受付18:30)、カフェ11:00~19:00(LO18:30)
定休日:不定休(工場は日曜・祝日)
公式サイト:https://factory.shiro-shiro.jp/

※価格はすべて税込です。
※ブレンダーラボやカフェの待ち時間は公式サイトにてご確認ください。
※本記事は2024年4月時点の情報です。ご来場の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮本 育

撮影:須田守政(FIXE)

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