かもめ島でバカンスを
かもめ島でバカンスを
2026.4.30
函館市内から車で約1時間半。日本海に面した江差町にある〈かもめ島〉は、防波堤で江差港と結ばれた小さな島だ。この島でいま、アウトドア宿泊とマリンアクティビティを融合させたプログラム「かもめ島マリンピング」が注目を集めている。
広い北海道といえども、陸地から歩いていけるアイランドリゾートなんて他にはない。
この夏、ここだけの思い出を見つけに、かもめ島へ出かけよう!
※本記事は2024年7月時点の情報です。おでかけの際は公式サイトで最新情報をご確認ください。
※価格はすべて税込みです。
※機内誌rapora 2024年7月号に記載された内容を一部改変し掲載しています
のんびり わくわく 島時間
「かもめ島マリンピング」は、離島のロケーションと 地元クルーによるフルサービスをとことん満喫できる、北海道でここだけのアウトドアプログラム。夏を思いきり遊び尽くしたい人も、隠れ家リゾートで癒されたい人も大満足間違いなし!
かもめ島は古くからキャンプや海水浴、ペット連れの散策などで地元民に親しまれているレジャースポット。
すぐそばに〈江差港マリーナ〉もあり、島周辺でクルーザーやSUP(サップ)を楽しむ人も少なくない。「この環境を江差の観光資源にしよう!」と〈一般社団法人 北海道江差観光みらい機構〉が打ち出したのが「かもめ島マリンピング」構想だ。2021年より日本財団「海と日本PROJECT」の採択事業として運営体制の整備を進め、2024年より江差町の観光振興施策として本格的に始動した。
かもめ島マリンピングにはグランピングと手ぶらキャンプの宿泊プランがあるが、注目すべきは最高級のグランピングプランだ。
空調完備のドームテントやリビングテラス、ホテル並みの室内装備はもちろん、無料で体験できる多彩なアクティビティ(SUPは別料金)と地元クルーによる至れり尽くせりのサポートがフルパッケージされている。
チェックインを済ませて荷物を置いたら、過ごし方は自由自在。波の音を聞きながら何もしない時間に身を委ねるもよし、専属クルーのガイドで島巡りを楽しむもよし。クルーはこまめに島内を巡回し、気さくに話しかけてくれる。
「予定が決まっていないならSUPはどう?」「地元の子たちと一緒にカニ釣りをしてみない?」など、島ならではの遊びの提案は、都会では体験できないワクワクの連続だ。
町内には温泉もあるので、夕食前に汗を流しに行くのもいい。島へ戻るとディナーの用意は万端だ。日本海に沈んでいく夕日を眺めつつ、クルーのサービスで新鮮な魚介たっぷりのBBQをほおばるひとときはなんとも贅沢だ。
焚き火を囲んでおしゃべりしたり、降るような星空に見とれたり、スマートフォンを開く間もなく島の夜は更けていく。翌朝は特製モーニングボックスとクルーが焼き上げる熱々のホットサンドで優雅な朝食。もうすぐ夢の島時間が終わってしまう...ああ、ずーっと夏休みならいいのに!
北海道は海で遊ぶイメージが乏しいかもしれないが、江差周辺に住む人々は幼い頃から海に親しみ、短い夏を思いきり楽しんでいる。
かもめ島マリンピングのプロモーター、宮崎拓馬さんもその一人だ。「かもめ島は住民が1世帯のみで、ほぼ無人島みたいな場所。だからこそ島を知り尽くした地元クルーが手厚くサポートしますので、安心して楽しんでいただきたいですね」。
江差町では現在、かもめ島周辺に新たな観光拠点を創造する計画が進んでおり、かもめ島マリンピングはその先駆けとなる試みだ。江差町の新たな胎動を、この夏ぜひ感じてほしい。
◆かもめ島マリンピング
住所:檜山郡江差町鴎島
TEL:0139-56-1144
(予約受付・土曜日・日曜日・祝日を除く9:00〜17:00)
料金:1泊 グランピング30000円〜、手ぶらキャンプ13000円〜
公式サイト:https://marineping.esashi.town/
クルーのサポートとアクティビティがセットになったグランピングはハイエンドからカジュアルまで3タイプ・各1日1組限定。
手ぶらキャンプは1日5組、季節に応じて仕様と料金が異なる。
小さな島の大冒険!
かもめ島は周囲約2.6kmの小さな島だけど、見どころや楽しみがぎっしり!
一度体験したら絶対ハマる、かもめ島ステイの魅力をほんの少しだけご紹介。
サンセット&マジックアワー
水平線の向こうへ燃え立つように沈みゆく夕日、日没後の空が刻々と色を変えていくマジックアワーの美しさは、しばし言葉を失うほど。岩盤が波に侵食されて形成された奇勝〈千畳敷〉の夕景は「月面に降り立ったかのよう」と表現されるほどの絶景だ。
磯遊び
エサを仕込んだカゴで魚を誘う「サビキ釣り」、地元の子どもたちお得意の「カニ釣り」など、磯場は遊びの玉手箱! 足がつかないほど深い穴(エンカマ)も多いが、島の地形を熟知するクルーのアテンドでダイブにもチャレンジできる。
満天の星
明かりが少ない島の夜は、ランタンひとつでナイトハイクに出かけよう。新月前後は満天の星と天の川、満月の頃は海上に延びる月明かりの道が見られるチャンス。運が良ければ漆黒の海に妖しく光る夜光虫に出会えるかも?
バードウォッチング
日本海に浮かぶかもめ島には、海辺にすむ鳥から山や森にすむ鳥、旅の途中に立ち寄る渡り鳥まで、多種多様な野鳥が集まってくる。ペンギンみたいな配色のオオハム、「幸せの青い鳥」と呼ばれるイソヒヨドリを見つけたらテンションが上がりそう!
A:灯台映えキャン
灯台は海上保安庁の管轄のため、通常は個人利用不可。ところがカジュアルグランピングプラン「LIGHT HOUSE.」では、島の西側に立つ〈鴎島(かもめじま)灯台〉の敷地内でお泊まりできるのだ。西洋のお城のようなかわいらしいフォルム、夜の海を照らす灯台の光は、写真映えすること間違いなし! くるくると回る光の下で過ごす一夜は、灯台守さながらのレア体験だ。
B:瓶子岩(へいし)
老女が神水が入った瓶を海に投げ込むとニシンが群来したという伝説が息づく奇岩。
C:厳島神社
別名「やらずの明神」。江差へ出稼ぎに来た人がお金を使わずに帰ると懲らしめたというどケチの神様。
D:かもめの散歩道
島内を巡る散策路。一部は海上遊歩道になっていて、足の下で透き通った海を泳ぐ魚が見られる。
E:幸せになる鐘
「恋する灯台」と呼ばれる鴎島灯台の前にあるロマンチックな鐘。カップルもおひとり様も鳴らしちゃおう!
F:海水浴
厳島神社の鳥居が見守るビーチは波が穏やかで小さな子も安心して遊べる。夏季は海の家とシャワー室も利用可。
G:開陽丸記念館
旧幕府軍の夢とともに江差沖に沈んだ軍艦「開陽丸」を復元した資料館。かもめ島の手前にあるので幕末好きはぜひ。
マリンホイール
回転するホイールの内側に入って水上散歩。不思議な浮遊感に大人も子どもも大はしゃぎ!
マリンカイト
青空を舞うカラフルなカイトは壮観。海風が吹く島では初心者でも比較的簡単に揚げられる。
かもめ島が守り継ぐ日本遺産のまち
江差でニシンの繁栄をたどる -観る・聴く・味わう-
【観る】
かもめ島によって日本海の荒波から守られ、ニシン漁で発展を遂げた江差町。その繁栄は北海道でも類のない歴史と文化を築き上げた。江差の街並みと暮らしに今も受け継がれる、ニシンの繁栄をたどってみよう。
1189年に藤原一族が上陸したとされ、北海道文化発祥の地といわれる江差町。江戸時代のニシン漁最盛期には日本海の海運を担った北前船によって本州の衣・食・住や文化、技術がもたらされ、商業と文化の町として発展した。繁栄の時代に生まれた有形無形の文化遺産が紡ぐ唯一無二のストーリーは、文化庁認定「日本遺産」に登録されている。
江差町の中心部に、往時の街並みを今に伝える〈いにしえ街道〉がある。明治〜大正期のニシン取引に関わる問屋や蔵、商家、町屋などの貴重な建造物が数多く残されており、建物の新築や改築に際しても歴史ある景観への配慮がなされている。瓦ぶきの屋根やしっくいの塗り壁、格子戸が並ぶ通りを歩いていると、往時の賑わいが匂い立ってくるようだ。
ニシン交易を支えた廻船問屋の建築をじっくり鑑賞できるのが〈旧中村家住宅〉だ。
江戸末期〜明治期に近江商人が建てたとされる店舗兼住宅で、「主屋」「文庫倉」「下ノ倉」「ハネダシ」の4棟が「トオリニワ」と呼ばれる通路で結ばれている。棟を分けるのは火災による類焼を防ぐため。主屋の壁の一部が黒く焦げているのは、かつて実際にボヤが出たときに被害が最小限に食い止められた跡だそうだ。
いにしえ街道側から見ると普通の2階建てだが、横から見ると土地の傾斜に沿って4棟が階段状に連なっているのが見て取れる。一番下のハネダシはかつて海に面しており、かもめ島に北前船が到着すると小船に荷物を積み替え、ハネダシに船を着けて荷降ししたという。ニシン景気に沸き、北前船でやってくる品々や文化に彩られた時代の記憶が、ここにある。
◆いにしえ街道
約1.1キロの歴史散歩が楽しめるほか、観光ついでに立ち寄りたいカフェや飲食店も。
住所:檜山郡江差町字中歌町〜姥神町〜津花町
TEL:0139-52-6716(江差町役場 追分観光課 観光係)
公式サイト:https://esashi.town/tourism/info/inishie-kaido/
◆旧中村家住宅
ニシン交易の歴史を物語る国の重要文化財。建物内部とニシン漁や北前船の資料を見学できる。
住所:檜山郡江差町字中歌町22
TEL:0139-52-1617 (9:00~17:00)
定休日:11月~3月の月曜日・祝日の翌日・年末年始(12月31日~1月5日)
料金:大人300円、小学生・中学生・高校生100円
公式サイト:https://esashi.town/tourism/info/old-nakamura-ke/
江差にはこんな伝説がある。「およそ500年前、不漁を憂いた老女が翁から神水を授かり、その瓶を海に投げ込むとニシンの大群が押し寄せた。老女は村人にニシンの漁法を教えて姿を消したという」この老女の庵にあった神像を祀ったとされるのが〈姥神大神宮〉だ。鎌倉時代に創建されたと伝えられ、1644年に現在地に移転。この頃から始まったといわれるのが、毎年8月9日〜11日に開催される〈姥神大神宮渡御祭〉だ。
古いものは江戸時代から受け継がれる13台の山車が町中を練り歩き、神輿が神社に帰る「宿入れ」が終わる夜には全ての山車が集結。灯火がともされた豪華な山車が光り輝き、人々の熱気と歓喜は最高潮に達する。江差の人々は祭りを心から誇りに思い、町を出て行った若者もこの3日間は何を置いても駆けつけるという。ニシンがもたらした繁栄は、江差人の熱い血潮に脈々と受け継がれているのだ。
◆姥神大神宮(うばがみだいじんぐう)
北海道最古の神社の一つでありニシン漁の守り神。ニシンがモチーフのおみくじや透かし御朱印にも注目!
住所:檜山郡江差町姥神町99-1
TEL:0139-52-1900
定休日:11月~3月の月曜日・祝日の翌日・年末年始(12月31日~1月5日)
料金:大人300円、小学生・中学生・高校生100円
公式サイト:https://esashi.town/tourism/info/ubagami/
【聴く】
「江差の五月は江戸にもない」といわれたほど栄華を極めたニシン交易。
その輝きの陰には、仕事を求めて本州から蝦夷地へ赴いた多くの人々がいた。
北前船の船底で身を寄せ合い、日本海の荒波にもまれていると、船頭や船子が歌う舟唄が聞こえてくる。
「かもめの鳴く音にふと目を覚ましあれが蝦夷地の山かいな」家族と別れ、遠く故郷を離れた寂しさと悲しみ、新天地への不安とかすかな希望。これこそが「魂の唄」と称される「江差追分」の真髄だ。「一度聞いて惚れ、二度聞いて酔い、三度聞いて涙する」といわれる江差追分。
町の中心部にある〈江差追分会館〉では、江差追分の成り立ちや変遷を知ることができるほか、全国大会の優勝者などが歌う生の江差追分を聴くことができる。哀調を帯びた独特の節回しは船を揺らす波か、海風を切り裂くむせび泣きか。わずか2分半の歌に、歴史のはざまを生き抜いた人々の幾多の思いと人生が詰まっている。
◆江差追分会館
江差追分をはじめ江差の数々の郷土芸能にふれることができる。併設の〈江差山車会館〉では姥神大神宮渡御祭の山車を展示。
住所:檜山郡江差町字中歌町193-3
TEL:0139-52-0920
時間:9:00〜17:00
定休日:11月~3月の月曜日・祝日の翌日・年末年始(12月31日~1月5日)
料金:大人500円、小学生・中学生・高校生250円
公式サイト:http://esashi-oiwake.com/esashioiwake-kaikan
【味わう】
江差で漁獲されたニシンは身欠きニシンに加工され、北前船で全国へ運ばれた。
ここから京都名物「にしんそば」が誕生し、ニシンの本場・江差でも郷土料理として知られるようになった。だが江差のニシン料理は進化し続けている。
〈レストランSatomi〉は、道南産の食材をメインとする和洋折衷の創作料理が自慢のお店。「江差とニシンの結びつきを料理で感じてほしい」と、多彩なニシン料理を提供している。新鮮なニシンの刺身やカルパッチョは、身の歯ごたえと脂のうまみをダイレクトに楽しめる絶品。塩辛やユッケ、フリットなどもあり、ニシンのポテンシャルに驚かされる。江差のニシンは長らく不漁が続いていたが、稚魚放流の努力によって近年は漁獲量が回復。今年2月にはニシンの産卵で海が白く染まる「群来」が見られた。ニシンの町・江差のストーリーは、これからも続いていく。
◆レストランSatomi
地元の漁師や生産者から直接仕入れる新鮮な食材で作る料理は日本酒やワインとの相性も抜群。「幻の魚」と呼ばれるゴジラエビ(ガサエビ)は札幌から食べに来るファンもいるほど。
住所: 檜山郡江差町字中歌町4-2
TEL:0139-52-5514
時間:17:00〜22:00(L.O.21:30)
定休日:日曜日(祝日は要確認)
公式サイト:https://www.satomiweb.com/
text : Miwa Sasaki
ひと味違うお泊まり体験!
夏のアクティビティトリップ
抜けるような青空が広がる、北海道の夏。この季節、ここでしか体験できないアクティビティを満喫できるお宿を紹介!
1.北海道のまん中・旭川空港
GLAMP SORA
◎中富良野町
北海道で初めて天窓付きのテント「スターゲイザー」を導入した注目のグランピング施設。直径5mの広々とした空間でベッドに寝そべり、満天の星を眺めながら眠りにつく贅沢な時間が待っている。バドミントンやサッカー、虫捕りなどの無料レンタルアイテムが豊富にそろっている上、別途予約でパラグライダーや熱気球フライト体験も可能。北海道のど真ん中・富良野の空を、泊まって遊んでとことん満喫しよう!
<DATA>
住所: 空知郡中富良野町鹿討農場3537-140
TEL:0167-56-9899
公式サイト:https://www.glampsora.com/
2.新千歳空港
ALL INN BIKUNI
◎積丹町
日本海に突き出た積丹半島で、1日1組1棟貸し切りのオーシャンビュートリップ! 周辺の海は北海道唯一の海域公園に属し、道内トップクラスの透明度を誇るビーチで遊んだり、「積丹ブルー」と呼ばれるコバルトブルーの海をSUPや釣りで満喫できるのもこの宿の醍醐味だ。思いきり遊んだあとはBBQや焚き火を楽しむもよし、1階のレストランで積丹名物のウニ丼や漁師直送の新鮮な魚介を堪能するもよし。
<DATA>
住所:積丹郡積丹町美国町小泊9-1
TEL:050-1135-5996
公式サイト:https://all-inn-bikuni.com/
3.とかち帯広空港
Moving Inn Tokachi Kitanomori
◎大樹町
太平洋と日高山脈に接する十勝・大樹町。2万坪の原生林の中にたった4区画だけのサイトが贅沢に設けられ、ダイニングやサウナ、露天風呂、座敷を思わせる和室トレーラーハウスなどで優雅に過ごすことができる。夏~秋は目の前の川でニジマスやヤマメ釣りに興じよう。現地スタッフがサポートするので初心者もご安心を。キャンピングカーレンタルも可能で、広い十勝をドライブしながら気ままなロードトリップもまた楽しい。
<DATA>
住所:広尾郡大樹町光地園44-5
TEL:0155-88-7514
公式サイト:https://moving-inn.com/
4.女満別空港
WAKKA BBB
◎弟子屈町
屈斜路湖畔に広がる1000坪超の敷地内には宿泊棟やツリーハウス、BBQハウスに加え、レイクビューの源泉掛け流し露天温泉まで! エゾシカやキタキツネに出くわすことも珍しくない手付かずの大自然の中、屈斜路湖でのボートフィッシングや足こぎカヤック、釧路川源流を行くカヌーツアーなどのアクティビティが楽しめる。各種レンタルは4月にオープンしたカフェ〈WAKKATOMARI〉で受け付けている。
<DATA>
住所:川上郡弟子屈町サワンチサップ5番地7
TEL:015-486-7271
※アクティビティは1週間前に要予約
公式サイト:https://wakkabbb.com/
5.たんちょう釧路空港
INN PORCH
◎浜中町
道東・浜中町に広がる霧多布湿原と太平洋の間にたたずむ一軒宿。海に昇る朝日から湿原に沈む夕日までを望む贅沢なロケーションだ。オーナーの瓜田さんは、ラムサール条約登録地に指定されている霧多布湿原を保全するNPOの元理事。地域の価値や魅力をさまざまな形で宿泊者に伝えてくれる。「ムツゴロウ動物王国」で知られる畑正憲氏が住んでいた無人島・ケンボッキ島に上陸するツアーはここだけのレア体験。
<DATA>
住所:厚岸郡浜中町仲の浜122番地
TEL:0153-62-2772
公式サイト:http://porch.sakura.ne.jp/index.html
photo: Kentaro Suda
text: Chie Tsushima

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