「レストラン泉屋 総本店」で釧路市民熱愛の元祖スパカツを堪能!
「レストラン泉屋 総本店」で
釧路市民熱愛の元祖スパカツを堪能!
2026.8.4
北海道を代表する港町のひとつであり、道東エリア屈指の美食タウンとしても知られる釧路市。魚介を炭火で焼き上げる「炉端焼き」や釧路発祥の鶏唐揚げ「ザンギ」、さらにはあっさり醤油の「釧路ラーメン」など、個性豊かな名物グルメがひしめき合っています。しかし、地元の釧路市民が「これぞソウルフード」と胸を張り、世代を超えて支持を集め続ける洋食の傑作があるのをご存じでしょうか。昭和から愛され続ける名店「レストラン泉屋 総本店」の看板メニュー「スパカツ」です。長年愛され続けるおいしさの秘密と誕生の歴史に迫ってみました!
※本記事は2026年6月時点の情報です。おでかけの際は各公式サイトにて最新情報をご確認ください。
※価格はすべて税込です。
釧路のソウルフードの歴史を開いた、寒冷地ならではの熱々の一皿
スパカツとは、その名の通り熱々の鉄皿に盛られたスパゲティの上にサクサクのロースカツをのせ、自家製ミートソースをたっぷりと注いだボリューム満点の一品。現在では釧路市内の多くのレストランや喫茶店でも提供されていますが、その元祖であり、圧倒的な人気を誇るのが「レストラン泉屋」です。今や観光客の間でも「釧路を訪れたらスパカツを食べずには帰れない」と言われるほど絶大な認知度を誇っています。
創業は1959年。まだ釧路に洋食文化が根付いてない中、創業者の小泉俊一氏がホテルなどでの修業を経て、釧路市末広町に小さな洋食店を開いたのが始まりです。「当初はカレーやハンバーグなど一般的なメニューを提供していて、スパゲティは1日10食の限定料理でした」と株式会社レストラン泉屋・専務取締役の鈴木仁さん。そんな中、冷涼な釧路の気候に合わせてユニークなアイデアが生まれます。「釧路は寒いので、最後まで熱々のまま食べてほしいと熱したステーキ用の鉄皿にスパゲティを載せてお客様に出したら、それが大変好評だったのです。それで、いつしかスパゲティがメインのお店になっていきました」。
さらに創業の翌年頃、泉屋の歴史を左右する画期的なメニューが誕生します。そう「スパカツ」です。「食べ盛りの若い人や学生の皆さんにお腹一杯食べてもらいたいと、店主のサービス精神から生まれたメニューでした。鉄皿で熱々のスパゲティを出したのと同じように、初代店主はいつもお客さまの喜ぶことを考えていたようです」と鈴木さん。目新しくもおいしくボリューム満点のこの新メニューは、地元釧路の人々の間で口コミを中心に広まり、いつしか泉屋を代表するメニューに。ほどなくして地元メディアをはじめ観光情報誌やテレビ番組などにも大々的に取り上げられるようになり、その噂は北海道内だけでなく全国へ広がっていきました。そして「釧路と言えばスパカツ、スパカツと言えば泉屋」という揺るぎないブランドとして、地元以外の人々からも愛される釧路名物となったのです。
ちなみに当初のメニューには、その内容をストレートに表現した「スパゲティミートソースカツのせ」というちょっと長い名前が付けられていました。しかし、厨房へオーダーを手短に通すため「スパカツ」と呼んでいた店側の「略称」が、お客側にも広がり定着。いつしかメニュー名も正式に「スパカツ」と変更されたのです。
濃厚ながら飽きのこない、これぞ元祖「スパカツ」の味!
では、そろそろ「スパカツ」にクローズアップしていきましょう。創業当時から、麺はマ・マーブランド(日清製粉ウェルナ)を使っており、その中でもデュラム・セモリナ粉100%、1.9mmという非常に極太な麺を使用。油で炒めることで、麺に香ばしさと旨味をまとわせています。
炒めた麺を熱した鉄皿にのせたら、まずはその上にまろやかなミートソースをたっぷり。さらに上に100gロースカツをのせ、カツの上にミートソースを二度がけしたら「スパカツ」の完成です。
200g強という麺がこぼれんばかりに盛られた圧倒的なボリューム感に少々ひるみますが、優しい味わいの自家製ミートソース、太麺のモチモチとした噛みごたえ、柔らかなロースカツの一体感が素晴らしく、気づけば夢中で食べ進めてしまいます。
また、テーブルへ運ばれてきたときに鉄皿から立ち上る「ジューッ」という音と煙も、食欲を刺激する大きなポイントに。さらに、この熱々の鉄皿だからこそ楽しめるお楽しみが、中盤から終盤にかけてお目見えします。鉄皿の底の部分で熱せられ続けた麺が、パリパリの「おこげ」状態に変化するのです。この「底の方の少し焦げた、パリパリの香ばしい麺」を愛してやまない地元客も多いのだとか。鉄皿についたおこげ麺の最後の一本まで、フォークでこそぎ取って完食。かつて「マ・マー」と取引をしていた全国の飲食店の中で、泉屋が単一店舗における「日本国内のパスタ消費量ナンバーワン」を記録したという話も、このおいしさなら大いに納得です。
「スパカツ」だけじゃない! 地元客がこぞって注文するオリジナルメニュー
実はレストラン泉屋には、「スパカツ」に負けず劣らず地元っ子から熱い支持を受ける、ふたつのオリジナルメニューが存在します。「ピカタ」と「泉屋風」です。一体どんなスパゲティなのか、まずは「ピカタ」からご紹介しましょう。
見た目からしてかなり独創的な「ピカタ」は、トマトソーススパゲティの上に、ふんわりと黄金色の薄焼き玉子をおおい被せた一皿です。これは、肉に小麦粉とチーズ入りの卵液をつけて黄金色にソテーするイタリア料理「ピカッタ(ピカタ)」からアイデアを得て、創業者の小泉氏が考案したもの。まろやかな風味の薄焼き玉子と少し甘めのトマトソースがマッチし、ふわりとした柔らかい口当たりもたまりません。薄焼き玉子の下に隠されたチャーシューもいい仕事をしています。
そしてもうひとつのメニューが、店名を冠した「泉屋風」です。こちらは一転して、ミートソースもトマトソースも使用しない、超シンプルかつ上品な味わいの塩味スパゲティ。
具材もハムやニンジン、ピーマンなどシンプルで、全体に炒り卵が絡まっています。太麺と具材を炒り卵が優しくまとめる、素朴ながら飽きのこない味わいが魅力です。この泉屋風、地元の常連客の中には、自分好みにカスタマイズして食べる方も多いのだそう。例えば卓上のソースでコクと酸味をプラスしたり、お醤油を少し垂らして和風テイストで楽しんだりと、食べる人の手によってさまざまな「泉屋風」に変化するのです。その懐の深さも、長年愛され続ける秘密なのかもしれません。もちろん、そのまま食べてもおいしいことは言うまでもありません。
釧路が誇る食文化を「100年」守り続けるために
レストラン泉屋が60年以上にわたって真摯に守り続け、釧路市民が愛し育ててきた「スパカツ」は、2025年文化庁の「未来の100年フード部門~目指せ、100年!~」に認定されました。名実ともに日本が誇るべき貴重な『世代を超えて継承すべき食文化遺産』であることが証明されたのです。
鈴木さんは「これほどまでに長く愛され、地域に溶け込んできた『スパカツ』をこれからも守り続けていきたい。この釧路発祥の食文化の灯を、絶やすことなく次の世代へつないでいきたいと思います」と話してくれました。現在、そんなスパカツ普及の一環として、同店ではオリジナルTシャツやトートバッグ、マスキングテープなどスパカツグッズを販売。デザインがかわいらしいので、釧路みやげにいかがでしょうか?
港町・釧路の寒冷な気候と、お客さまを思う店主の優しいアイデアから生まれた「スパカツ」。ぜひ皆さんも釧路旅のハイライトとして、お腹いっぱい味わってみてください。
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レストラン泉屋 総本店
住所:釧路市末広町2丁目28
TEL:0154-24-4611
営業時間:11:00~21:00(LO20:30)
定休日:月1回火曜(泉屋総本店のXで要確認)
公式サイト:https://izumiya946.jp/
企画・制作:株式会社monomode
取材・編集:宮川健ニ
撮影:亀畑清隆

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