甘辛いタレとサクサク食感がたまらない!
まちのソウルフード"訓子府たれカツ丼"発祥店
「フクヨシ」

甘辛いタレとサクサク食感がたまらない!
まちのソウルフード"訓子府たれカツ丼"発祥店
「フクヨシ」

2025.12.18

女満別空港から北見市を経由して南西へ車で約50分。オホーツク地域の内陸部に位置する農業のまち・訓子府(くんねっぷ)町。同町でカツ丼といえば、カツを卵でとじず甘辛いタレをかけた「訓子府たれカツ丼」のこと。そこで今回は、訓子府たれカツ丼の発祥店である「フクヨシ」を訪問!5代目店主の砥石文吾(といし ぶんご)さんにお話をうかがってきました!

※本記事は2025年6月時点の情報です。ご来店の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。

『これがカツ丼?』 卵でとじないのが訓子府町の"当たり前"

オホーツク地域にある訓子府(くんねっぷ)町は、農業を中心に発展してきたまちです。
農業で栄えた理由は、内陸部特有の日照率の高さ、寒暖差のある気温、降水量が少ないという農作物の栽培に適した気候に恵まれているため。
さまざまな農産物が生産されていますが、なかでもメロンと玉ネギが有名です。

▲レクリエーション公園にある展望台からまちを一望できる

まちの中心部に、訓子府たれカツ丼発祥の店「フクヨシ」があります。
同店は、創業1949年の老舗食堂。76年間にわたり初代の味を守りながら、訓子府たれカツ丼を提供し続けています。

▲フクヨシ
▲店主の砥石さん

5代目店主の砥石文吾さんは言います。

「この店の初代店主が創業したときに、たれカツ丼を始めたと聞いています。それを当店で働いていた職人たちが独立し、それぞれ独自のたれカツ丼を提供したことで、訓子府町に広まったそうです」

ということは、砥石さんにとってのカツ丼も、もちろん──

「生まれたときからカツ丼といえば"たれカツ丼"でした。これが訓子府町独特の食文化だと知ったのは高校生のとき。僕は北見の高校に通っていたのですが、学校帰りに友だちと北見市内の食堂に入ってカツ丼を注文したら、卵でとじたカツ丼が出てきました。『何だ、これ⁉』って驚きましたね。訓子府町民なら一度は通過する体験です(笑)」

▲現在、町内6店舗でたれカツ丼が提供されている(令和7年版 訓子府町パンフレットより)

サクッ、ジュワッ!秘伝のタレが決め手の"訓子府流ファストフード"

あつあつのご飯の上に刻み海苔をまぶし、その上に豚肩ロースを使ったサクサクのカツをのせ、醤油ベースのあっさりした秘伝の甘辛いタレをたっぷりかけた訓子府たれカツ丼。
一口頬張れば、醤油の香ばしさに、ほんのりとした甘みが加わった絶妙なバランスで、お米の一粒を食べ終えるまで飽きさせません。

▲昼食時は約100人前の注文が入る。それでも待たせることなく提供できる

その味わいもさることながら、提供スピードが早いのも、長年にわたって愛されている理由。

「卵でとじる工程が入ると、提供までにどうしても時間がかかります。たれカツ丼なら、お客様をお待たせすることがありません。いわば、たれカツ丼は訓子府町のファストフードです」

さらに嬉しいのは、同店ではご飯とカツの量を選べるところ。
ご飯は普通(300g)・大盛り(450g/+150円)・少なめ(200g/-50円)から、カツは増し(1.5枚/+400円)・増し増し(2枚/+800円)からチョイス。
そのときのお腹の好き具合に合わせられると、お客様からとても喜ばれているそうです。

▲こちらは、ご飯は普通(300g)、カツ1枚(100~130g)のレギュラーサイズ 1100円

名物はカツ丼だけじゃない!限定プリンまで味わい尽くすのがフクヨシ流

▲塩ラーメン 950円(単品)

同店はラーメンも評判で、おすすめは「塩ラーメン」。豚ゲンコツと鶏ガラをベースとした清湯スープに、3種の塩をブレンドしたかえしを使用。コクがありつつも、あっさりしたスープは訓子府たれカツ丼との相性も良く、ご飯の量が150gの「ミニカツ丼セット(1450円)」を注文する女性も少なくないとか。

そして、お土産には、「くんねっぷりん」をどうぞ。
バレンタインデーのお返しにと、砥石さんの息子さんと一緒に作ったというのが、誕生のきっかけでした。地元・きたみらい牛乳のノンホモ牛乳を使った、ミルクと卵の味わいがふんわり広がる、甘さ控えめのプリンで、あまりの美味しさに商品化。以来、お土産や食事の後のデザートとして人気です。1週間で50個限定販売なので、出会えたら運がいいかも。

▲くんねっぷりん 各350円。固め(手前)と柔らかめ(奥)から選べる

訓子府町は自然豊かなまちです。レクリエーション公園では春はお花見、夏はピクニック、秋は紅葉、冬はスキーを楽しむことができます。そんなおでかけの際のランチは、ぜひフクヨシで訓子府たれカツ丼を味わってみてはいかがでしょうか。

<DATA>
フクヨシ
住所:常呂郡訓子府町元町37
TEL:0157-47-2057
営業時間:昼の部11:00~14:00(LO13:30)、夜の部17:00~20:00(LO19:30) ※ご飯がなくなり次第、終了
定休日:日曜日、祝日の夜の部
公式アカウント:https://www.instagram.com/hukuyoshi_kunneppu/

※価格はすべて税込です。
※イベント出店等により営業時間や定休日が異なる場合があります。
※InstagramのDMで問い合わせや注文は受け付けていません。
※本記事は2025年6月時点の情報です。ご来店の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮本 育

撮影:須田守政(FIXE)

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