日本人の味覚と相性バツグン!
シンプルなのに味わい深いスリランカカレー
「スサンタ キッチン」

日本人の味覚と相性バツグン!
シンプルなのに味わい深いスリランカカレー
「スサンタ キッチン」

2025.9.22

旭川空港から道道37号を北上して約20分。旭川市旭山動物園のすぐ近くに、今回ご紹介する「スサンタ キッチン」があります。同店はスリランカ出身のオーナーと、大阪出身の奥さまが経営するスリランカカレー専門店。「ここのカレーは絶対食べてほしい!」と、数多くのカレー店を食べ歩いたDOたびカメラマンたっての希望で取材が決定。さっそくお邪魔してきました!

※本記事は2025年5月時点の情報です。ご来店の際はFacebookにて最新情報をご確認ください。

"お母さんの味を届けたい"という思いが詰まった店

道道295号沿いに、木々と田んぼに囲まれた民家があります。
そこが「スサンタ キッチン」です。

▲スリランカの国旗が目印

同店のオーナー、アベイディーラ・スサンタさんはスリランカ出身。
英語留学でスリランカに長期滞在していた奥さまと出会い、結婚後、日本へ。
しばらくは奥さまのご実家がある大阪で暮らしていましたが、あるとき転機が訪れます。

▲アベイディーラ・スサンタさん

スサンタさんが当時を振り返ります。

「友人が北海道東川町でカフェをやっていて、年に1回、夫婦で遊びに行っていました。そのとき、スリランカでよく食べていたお母さんのカレーを作ったらみんな喜んで、『こんなに美味しいカレーを作れるのなら、北海道でお店を開いてよ』と言ってくれたんです」

気候の違いはあれど、自然が豊かな北海道はどこかスサンタさんの故郷・スリランカに似ていたそう。
故郷への思いと、友人たちの応援に背中を押されて、いつしか北海道でレストランを開くのがスサンタさんの夢になりました。

▲春にはさまざまな野鳥、冬になるとリスが庭に姿をあらわすとのこと
▲民家を改造した店内。アットホームな雰囲気が落ち着く

その夢が叶い2008年、旭川市にスリランカカレー専門店をオープン。

「お母さんが作ってくれたカレーの味をお客さんに届けたいと思いました。だから店名を『スサンタ キッチン=スサンタの台所』にしました」

そんな温かい思いが詰まったお店は、オープンから17年経った今でも、地域の人々に愛され、多くのカレー好きを笑顔にしています。

日本人の味覚に合う、五感で味わう唯一無二のカレー

スリランカカレーは、実は日本人の味覚に合うカレーって知っていましたか?
その理由は、「モルディブフィッシュ」という乾燥させた魚を使うためです。

▲スリランカカレーは、家庭によって作り方も味も違うそう

スサンタさんは言います。

「うちではもっと日本人の口に合うようにと、良質な国産厚削りカツオ節を使っています」

▲米から肉、野菜に至るまで、使う食材はほとんどが北海道産

カレーのベースとなっているのは、玉ネギ、ニンニク、ショウガ。
そこに日本人になじみ深いカツオ節のうま味が加わり、味つけは塩のみ。
40~50種類ものスパイスは巧みに使い分け、メニューによって配合を変えています。

▲スパイスはスリランカから仕入れる。仕入れたばかりのシナモンの束を見せてくれた

だからこそ、素材本来の味が引き立ち、重たさを感じません。

取材を受けるスサンタさんご夫婦を、少し離れた場所から見守っていた常連さんであり、お友だちの松村恵さんいわく──

「スープカレーでもないし、ルゥカレーでもない。これまで食べたことのないカレーでしたが、すごく美味しくて、以来、ハマってよく食べに来るようになりました。気づいたら約10年、通っています」

▲メニューによってスパイスの配合が違うので、さまざまな表情を楽しめる

おすすめは、「スサンタのおまかせランチ」。

おすすめのカレー2種盛り、一品料理、サラダ、パパダン(緑豆の粉で作ったせんべい)、ライスがセットになったワンプレートランチ。
この日は、ピリ辛のチキンカレーと、ココナッツミルクが香るマイルドなダイコンのカレー、ジャガイモの炒め物が登場。

▲スサンタのおまかせランチ 1300円(注文は14:00まで)

それぞれを別々に味わうのもいいですが、好みに応じて混ぜ合わせていただくのがスリランカスタイル。

スパイシーでホロホロになるほど煮込まれた鶏モモ肉、まるでフルーツかと思うほど甘くてジューシーなダイコン、ほくほくに仕上がったジャガイモ。

異なる味わい、香り、食感、彩り、そして自分好みにミックスする楽しさ。
まさに五感で味わう、唯一無二のカレーです。

ほかにも、チキンカレー、ポークカレー、キーマカレーなどがラインナップ。
夏野菜のカレーや、冬に登場するカボチャのカレーも人気。
季節の恵みとスリランカの家庭の味が融合した、特別なひと皿を堪能できます。

▲えびカレーの2種類盛り(えびカレー+ひよこ豆のカレー) 1400円

心身ともに元気になれる、とっておきのひとときを過ごせる

食後は、スリランカのデザート「キリパニ」と、本場の茶葉を使った「ミルクティー」をどうぞ。

▲キリパニ ランチ300円/ディナー400円

キリパニとは、ヨーグルトにクジャクヤシの花からとれる蜜をじっくり煮詰めて作ったシロップをかけたもの。ヨーグルトの酸味がやわらぎ、さっぱりした後味。

▲ミルクティー ランチ300円/ディナー400円

ミルクティーはアイスにもできますが、ここはスリランカ流にならってホットを。スパイスで熱くなった胃を優しく包んでくれます。

そして、同店には、さらなる癒しの存在がいるんです。

スサンタさん一家の愛猫・ウルフくんと、こがねくん。

▲ウルフくん
▲こがねくん

今日は会えないかな......と思っていたのですが、取材が終わるころにふと姿を見せてくれました。

絶品カレーに、のどかな風景、猫ちゃんとの交流。
何よりも、スサンタさんご夫婦の温かいお人柄とおもてなしに、心身ともに元気になって、お店を後にしました。

▲スサンタさんご夫婦に会いたくてお店に来るというお客さんも多い

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スサンタ キッチン
住所:旭川市東旭川町上兵村328
TEL:0166-36-6621
営業時間:
【ランチ】月曜〜日曜11:00~14:30(LO14:00)
【ディナー】月曜、木曜、日曜:17:00~19:00(LO18:30)
      金曜、土曜:17:00 - 19:30(LO19:00)
※都合により早めに閉店となる場合があります
定休日:毎週火曜日、水曜日

公式アカウント:https://www.facebook.com/susanthakitchen

※価格はすべて税込です。
※本記事は2025年5月時点の情報です。ご来店の際はFacebookにて最新情報をご確認ください。

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮本 育

撮影:須田守政(FIXE)

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