淡麗系ラーメンの名手が手がける
進化系"札幌味噌"に感激!

淡麗系ラーメンの名手が手がける
進化系"札幌味噌"に感激!

2024.1.25

札幌を代表するグルメと言えば、やっぱり「ラーメン」は外せませんよね。市内に数ある名店・人気店の中から、今回はすっきり上品な淡麗系ラーメンで人気を博す「札幌 凡の風」をご紹介。実は2023年12月から店名とメニューをリニューアルして、これまでとは少し違うスタイルになったのだとか。いったいどんな一杯に変化したのか、詳細をレポートします!

※本記事は2023年12月時点の情報です。実際の来訪の際には公式サイトで最新情報をご確認ください。

2006年の開店以来、進化し続ける人気店!

2006年に「凡の風」の店名で開業し、それまで札幌にあまりなかった淡麗系の味わいで、瞬く間に人気店へ成長。2019年「凡の風 杉むら中華そば店」とリニューアルし、洗練された中華そばを提供していました。そして2023年12月、「札幌 凡の風」への二度目のリニューアル。場所は電車通り沿いで、市電の電停「西線9条旭山公園通」から徒歩3分。札幌中心部からでも、市電を使えば15分ほどでアクセスできます。

▲駐車場は店前2台のほか、少し離れた場所にも5台分用意
▲カウンター6席と4人掛けテーブル1卓の計10席。店内に待合席もあります

初めてでも入りやすいシックな店内

店内は、ぱっと見ラーメン店とは思えないシックでシンプルな造り。それでいて敷居の高さは感じさせず、初めてでもすっと入店できる雰囲気です。オーダーは券売機スタイルなので、まず入口近くの券売機でメニューを選んで購入、それから席につきましょう。

飾り気のない店主の温かな人柄も魅力!

店主の杉村浩二さんは元広告代理店勤務で、35歳の時に脱サラしてラーメンの世界へ。こだわりの強い職人でありながら怖い(失礼!)感じがしないのは、サラリーマン経験があるからかも。2006年の独立後、醤油・塩を看板メニューに、札幌の淡麗系を代表する実力店として着実に人気を獲得してきました。

ところが「このごろ、やっぱり札幌でラーメンをやるなら『味噌』をもっと打ち出すべきでは、と思うようになったんです。近年、札幌に中華そば系の店が増えたので差別化ということもありますが、なんだか『味噌』がないがしろにされている気がして。だから凡の風らしい味噌ラーメンを作って、"味噌の復権"を果たしたいんです」と杉村さん。

▲優しい笑顔が印象的な店主の杉村さん
▲あおり炒めで野菜を香ばしく仕上げる

これまで月曜だけの限定メニューだった「味噌らーめん」を定番化させ、それに合わせて醤油・塩もリニューアル。定番人気の「鶏乃中華そば」は麺が中細から平打ちに変わり、「生姜醤油ラーメン」など新メニューも登場しています。

味のベースはこだわり抜いたスープ

リニューアルしても、「凡の風」の味を支えてきたベースのスープは変わりません。道産親鳥の丸鶏を4時間以上かけて煮込むスープは、鶏の旨みだけが抽出された上品かつコク深い味わい。煮込んだあとすぐには使わず、冷蔵庫で2~3日寝かせることで、さらに旨みが増加するのだとか。「味噌らーめん」はそのスープに煮干しからとる魚介スープをブレンドして使っています。どんな味か楽しみ!

▲丸鶏をじっくり煮込んで旨味を抽出

これが凡の風の進化系味噌ラーメン!

▲味噌らしい力強さと繊細さを併せ持つ「味噌らーめん」980円

では、リニューアルの目玉である「味噌らーめん」をご紹介していきましょう。白味噌・赤味噌を合わせた味噌ダレに先ほどのスープを合わせて、あおり炒めで香ばしさを引き出した野菜とキクラゲ、豚バラ肉のチャーシューやネギなどをトッピング。味噌ラーメンにかかせないニンニクは、調理工程ごとにフライドガーリック、生ニンニク、こがしガーリック油と使い方を変えることで、重層的な風味をもたらしています。

味噌ラーメン用に特注する麺と一緒にスープをすすると、味噌と野菜の甘み、ニンニクの旨みがふわりと立ち上り、山椒の香りがいいアクセントに。あえて熟成させずに使う麺は優しい口当たりで、スープとの絡みも最高です。味噌ならではの力強さがありながら、これまでの「凡の風」らしい品の良さも感じられる一杯。これはちょっと感動的なおいしさ!

▲味噌の方の麺は、加水率高めの中太ストレート
▲新たに定番メニューとなった「生姜醤油らーめん」950円

寒い時期は生姜ラーメンもおすすめ!

新メニューの「生姜醤油らーめん」もいただいてみます。鶏の旨みが溶け込んだ醤油スープに、すりおろした土佐生姜をたっぷり加えた一杯は、一口すするとガツンと生姜を感じるパンチのある味わい。柔らかなロースのチャーシューも絶品です。味噌ラーメンより少し細い平打ちストレート麺との相性も抜群。生姜効果で体の中から温まるので、これからの寒い時期にぴったりの一杯です。

近年、淡麗系・中華そば系が話題を集めがちな札幌ラーメン業界にあって、あえて原点回帰の「味噌」で勝負をかける「札幌 凡の風」。札幌味噌ラーメンを新たなステージへと導く、要注目の一杯を味わってみては。

<DATA>
札幌 凡の風
住所:札幌市中央区南8条西15丁目1-1 ブランノワールAMJ815 1階
TEL:011-512-2002
営業時間:11:00~16:00(LO15:40)※スープが無くなり次第終了
定休日:水曜
公式サイト https://www.bon-no-kaze.com/

※本記事は2023年12月時点の情報です。実際の来訪の際には公式サイトで最新情報をご確認ください。

企画・制作:株式会社monomode

取材・編集:宮川健ニ(亜璃西社)

撮影:須田守政(FIXE)

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