2021年度安全報告書

2021年度 安全報告書

この安全報告書は、航空法第111条の6の規定に基づき、AIRDO(エア・ドゥ)の安全確保のための取り組みや安全の実態をまとめ、ご利用のお客様に広くご理解頂くとともに、会社のさらなる安全意識の向上および安全への取り組みのいっそうの促進を図るために公表するものです。


株式会社AIRDO

この安全報告書は、航空法第111条の6に基づき、当社の安全への取り組みをまとめたものです。

「2021年度 安全報告書」の発行にあたって

 平素より、AIRDOをご利用いただき、誠にありがとうございます。

 「2021年度 安全報告書」を作成しましたのでぜひご一読いただき、弊社の安全に関わる取り組みについてご理解賜りますよう、
お願い申し上げます。

 2020年度に引き続き、2021年度も新型コロナウィルスの影響は収まらず、運航スケジュールや機材の変更等の対応を余儀なくされましたが、安全運航を堅持するため全社を挙げた各種安全対策の実施に努め、創業以来の「無事故、重大インシデント0件」を継続して達成することができました。
 しかしながら、今日までの安全が明日からの安全を保障するものではありません。安全に対しては過信や慢心を戒め、これまで培ってきた人と仕組みを磨き上げ、さらに高い意識を継続して安全・安心を追求して参ります。
 一方、航空従事者の飲酒問題に関する対応につきましては、継続して安全重点施策の一つに掲げて取り組んできましたが、残念ながらアルコール検査の手順通りに実施しなかったことが発生したことから、改めて飲酒に関する不安全事象の根絶に向けてより一層強い危機感を持って業務を遂行して参ります。

 AIRDOでは、企業理念の冒頭に「安全を絶対的使命として追求する」を掲げ、安全を最優先に事業を継続しております。2022年度は新型コロナウィルスの影響が少なくなり、徐々に旅客数も増加してくることから万全の体制を構築して行きます。
 また、10月にソラシドエアとの共同持株会社を設立することから、安全運航を堅持することを基本として組織の見直しや協業体制の構築、規程・業務の共通化等を進めて行く予定です。
 そのような状況下でも、安全を追求し社内への更なる浸透を図ることを目的として、2022年度の安全方針については前年度と同じく「いかなる環境下においても安全を堅持する」としました。引き続き全従業員が高い安全意識を持って確実な対応を行い、皆様に安全と安心を提供して参ります。
 これからも、皆さまの変わらぬご愛顧とともに、一層のご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2022年7月
株式会社AIRDO 代表取締役社長 草野晋

1.安全に関する基本方針

1-1 企業理念・安全行動指針

 弊社は、企業理念の冒頭において「安全を絶対的使命として追求します」との決意を述べ、この理念の下、会社として航空の安全を追求しています。

企業理念

  • 安全を絶対的使命として追求します
  • お客様に感動していただける空の旅を提供します
  • コスト意識を持って企業競争力を強化します
  • 人を活かし育み、活力ある企業風土を創造します
  • 北海道の翼として地域社会の発展に貢献します

 弊社は、企業理念に掲げている「安全を絶対的使命として追求」するため、安全行動指針を定め、全役職員がこの安全行動指針に従い、業務を遂行しています。

安全行動指針

  • 曖昧な判断はせず、確信がない場合は安全を最優先に行動します
  • 情報は迅速かつ的確に報告し、組織を超えて共有します
  • 周囲の意見に耳を傾け、自分の考えを声にして、コミュニケーションを大切にします
  • 教訓から学び、自覚と責任を持ってプロフェッショナルとしての技倆を高め続けます

1-2 安全方針

 経営の最高責任者(代表取締役社長)は、安全最優先の決意を示した「安全方針」を設定しています。

2021年度安全方針

 航空会社にとって、安全は何ものにも代えがたい、会社存続の基盤であり、絶対的使命として何よりも優先させるべきものです。
当社の「企業理念」では冒頭で、

安全を絶対的使命として追求します

と謳い、安全最優先の固い決意を表しています。

 2021年度の安全方針は、以下の通りに定めています。

安全方針

  • いかなる環境下においても安全を堅持する

重点施策

  • 変化のリスクに向けた確実な対応
  • 規程基準の遵守とレビューの実施
  • アルコールに関する不安全事象の根絶
  • ヒヤリハットの活性化と有効活用

安全指標・安全目標値

  • 「事故・重大インシデント 0件」
  • 「アルコール検査での検知・失念 0件」
  • 「ヒューマンエラーに起因する安全上のトラブル報告件数(委託先含む)

    4.05件/1万便 以下」

2.安全確保の体制

 弊社は、航空法に基づき、「安全管理規程」において、安全管理の方針、体制、実施方法について定めています。また、安全統括管理者を選任し、経営トップから運航、整備、客室、空港業務などに直接携わる社員を含む会社全体で、航空輸送の安全に対し組織的に取り組む「安全管理システム」(以下「SMS」という。)を構築しています。

2-1 安全管理システムの概要

 弊社におけるSMSとは、会社の運航安全の方針や目標を定め、体制を整備し、実行し、その結果を評価することにより、会社組織が一体となって、継続的に安全の確保および改善をはかる仕組みをいいます。
 この仕組みにおいて、P(PLAN:計画)、D(DO:実施)、C(CHECK:問題把握)、A(ACTION:改善)のサイクル(PDCAサイクル)を継続することにより、運航の安全の維持・向上を目指します。
 弊社の「安全管理規程」では、PDCAサイクルについて、次のように定めています。
  1. 安全方針
     企業理念に基づき、会社の安全に関わる基本的な方針および目標を設定し、運航の安全についての組織および責任と権限を定めるとともに、SMSの適切性、妥当性および有効性を確保し、継続的改善を図っていくためのマネジメントレビューを設定する。
  2. 運航体制
     運航体制の維持および改善を図り、SMSの有効性を継続的に改善するために必要な資源の供給について定める。さらに運航の安全・品質に関わる業務の実施基準・手順の設定について定める。
  3. 運航の実施/運送の提供
     日常的に運航の実施・運送の提供の業務に従事する社員についての具体的な行動基準を定める。さらに運航の安全に関わる日常的な業務の外部委託に対する管理について定める。
  4. 問題把握と改善
     運航の実施・運送の提供に伴う問題点の把握、継続的な再発防止対策および未然防止対策の実施による運航の安全性向上ならびに内部安全監査による定期的なSMSの改善について定める。さらに、SMSを有効で効果的なものにするための安全推進の一般的な種々の活動について定める。

2-2 安全確保に関する組織

弊社の安全確保の組織体制は、以下に示すとおりです。

組織図と従業員数(2022年3月31日現在:931名)

安全推進室 業務監査室 CS推進室 CSR企画推進室 企画部 財務部
20名 4名 6名 12名 21名 12名
総務部 整備本部 運航本部 運送本部 マーケティング本部
28名 169名 157名 466名 36名

運航に携わる各職種の人数 (2022年3月31日現在)

職種 人数
運航乗務員 121人
客室乗務員 241人
整備従事者 113人 うち確認主任者等(75人)
地上運航従事者 23人 うち運航管理者(19人)

※運航および整備に関わる委託先の人数は除く

2-3 責任と権限

 安全の維持・向上を目的とするSMSの継続的な改善を図り、安全を確保するための、委員会組織、役職者、社員の責任と権限は以下のとおりです。

  • 安全推進委員会

     すべての常勤役員、生産部門の本部長等により構成され、会社の安全に関わる重要事項の最高決議機関として、原則、毎月1回開催しています。安全に関する基本方針を策定し、安全重点施策の実施状況や達成状況を確認、その結果に基づき会社全体の安全対策の確認、監視、助言、勧告、指示を行います。

  • 社長(経営および運航安全に関する最高責任者)

     「安全は経営の最優先事項である」旨の「安全方針」を明示し、安全に対するコミットメントを社内に深く浸透させるとともに、安全に関する総まとめとしてマネジメントレビューを定期的に実施し、SMSの継続的な改善を図っています。

  • 安全統括管理者

     経営の立場から、SMSの継続的改善を推進し、安全の監視を行い、社長のマネジメントレビューを支援しています。

  • 安全推進室長

     輸送の安全を確保するための安全推進活動全般に関わる方針、計画を策定する責任者として、関係各部署とも連携し、安全に関わる基本方針および安全管理規程に基づく安全推進活動の総括を行います。また、マネジメントレビューの管理責任者として、安全に関わる課題の解決を目的に関係各部署への指示、提言ならびに支援を行います。

  • 生産部門の部門長

     自部門内の安全に関する責任者として、部門内の業務プロセスや手順を設定し、確実に実施・維持します。また、不安全事象の再発防止活動および未然防止活動を部門内において実施します。

  • 従業員

     安全に関する取り組みの実行責任者として、航空機運航の業務に対する安全リスク管理を行うと共に、許可を受けた航空運送事業者として求められる条件と制約および航空機の運航に適用される法令、基準を厳格に遵守します。

2-4 各組織の機能と役割の概要

各部門の機能と役割は以下に示すとおりです。

  • 安全推進室

     安全に対する経営の方針に基づき、安全に関わる問題について社内各部門および社外の関連する諸機関との調整を行い、会社のSMSの推進と継続的な改善等の具体的な指揮を行います。また、社内安全監査や実運航データに基づくモニターを担当し、必要な教育や助言等を実施します。

  • 運航本部

     会社の経営方針に基づき、運航部門に関する生産業務全般を担当し、安全運航の徹底と経済的な生産業務の遂行を行います。

  • 整備本部

     会社の経営方針に基づき、整備部門に関する生産業務全般を担当し、安全運航の徹底と経済的な生産業務の遂行を行います。

  • 運送本部

     会社の経営方針に基づき、運航管理・客室・空港部門の生産業務全般を担当するとともに、航空保安の徹底ならびに顧客ニーズの取りまとめを行います。

3.安全確保への取り組み

3-1 運航に携わる各職種の定期訓練および審査の内容

 弊社では、日常運航に携わる職種ごとに以下のような教育や訓練などを定期的に実施し、運航の安全を確保しています。

運航乗務員

 運航乗務員は、入社後、訓練生として数多くの訓練と審査を経て副操縦士に昇格し、そこで十分な経験を積んだ後にさらに厳しい訓練と審査を繰り返し、機長へと昇格していきます。昇格して業務についた後も、緊急事態を想定した訓練や、運航に必要な知識、操縦能力、判断力などを定期的に確認する審査、さらには厳しい航空身体検査も義務付けられています。
 定期訓練では、能力維持と向上を図るため、半年に1度、フライトシミュレーターを用いた訓練を行っています。その訓練には、いかなる状況下でも適切な対応ができるよう、通常は経験することのない異常な状態や緊急な状態等をシミュレートする内容も含まれています。また、1年に1度、定期学科訓練やCRM訓練(注)を実施し、知識や技術のリフレッシュを図るとともに、緊急時における乗務員相互のコミュニケーションや連携、リーダーシップなどについて訓練し、運航乗務員としての能力向上に努めています。また63歳以上の運航乗務員は、これらの定期訓練に加えてフライトシミュレーターを用いた加齢付加定期訓練を半年に1度実施し、緊急時の操作等について能力の維持・向上に努めています。
 定期審査では、運航乗務員として必要な知識及び能力を有しているかを判定するため、技能審査と路線審査を年1回ずつ受け、合格することが求められます。
 弊社は2006年8月に指定本邦航空運送事業者としての指定を受け、定期的に実施される機長の資格審査については、国の審査官に代わって国土交通大臣の指名を受けた自社の査察操縦士が実施しています。安全に対する高い意識と全社一丸となった取り組みにより、厳格な審査を実施しています。

(注)CRM(Crew Resource Management)訓練
 乗務員を取り囲む利用可能なすべてのリソース(人、機器、情報など)を活用し、チームとしての意思決定やコミュニケーション、リーダーシップの取り方などを学ぶ訓練。


(運航乗務員訓練の様子)

客室乗務員

 客室乗務員は、入社後に保安要員として必要な各種訓練を受け、社内審査に合格した後、乗務資格が付与されます。また、資格維持ならびに技量能力の維持向上のため、定期的に訓練と審査(非常救難対策訓練、CRM訓練、危険物教育訓練等)が義務付けられております。
 非常救難対策訓練では、緊急事態を想定した実技演習、緊急着陸水、火災、急減圧、非常口の操作、非常用器材の取扱い、不法行為等に対する措置等の訓練を実施しています。

()
(客室乗務員訓練の様子)

地上運航従事者(運航管理者、運航支援者)

 地上運航従事者は、運航乗務員と連携して航空機の運航を決め、安全に目的地に到着するまでのサポートを行うために、専門的な知識や技能と資格が必要です。まず、「運航支援者」として経験を積んだ後、国家試験である「運航管理者技能検定」に合格し、さらに社内任用訓練や審査を経て「運航管理者」として社内資格が付与されます。発令された後も、当該資格に必要な知識および技能水準の確認を目的として、毎年、定期資格審査を受け合格することが求められます。
 また、知識の維持・向上を目的として、運航管理に関する基本的事項(ヒューマンファクターズ、運航基準等)および冬季気象現象等についての定期訓練を年1回実施しています。その他、新しい機種、路線、運航方式等が導入される際には、必要に応じて随時訓練を実施しています。


(運航管理者任用訓練の様子)

整備従事者

 整備業務は高度で専門的な知識や能力、経験が必要であり、航空機整備に携わるためには資格が必要です。まず社内作業者資格を得た後、経験を積みながら、「一等航空運航整備士」、「一等航空整備士」の国家資格の取得を目指します。必要な国家資格の取得後、さらに社内訓練や実務経験を積んだ後、社内審査の合格により「確認主任者」の社内資格が付与され確認行為が行えるようになります。
 全ての整備従事者は、必要な知識の維持・向上を図るため、それぞれの持つ資格に応じた定期訓練(確認主任者、整備員、領収検査員、整備関係者等)を2年毎に実施し、航空法や社内規定の確認、品質管理や領収検査に関する事項、また近年発生した不具合事象の振り返り等を行っています。


(整備士養成訓練の様子)

3-2 日常運航における問題点の把握および対応

 日常運航での安全に関わる問題点の把握および全社的なフィードバックの体制については、以下の方法により全社的な対応を図っています。

  • 安全推進委員会

     安全推進委員会は、安全に関わる重要事項の最高決議機関として、安全に関わる重要事項の決定、マネジメントレビューの定期的な実施、組織を横断した情報の共有化等、SMSの推進・改善などを図るうえで重要な役割を果たしています。会議の席上では、日常運航における問題点について生産本部(運航本部・整備本部・運送本部)の各部店から月次で報告され、再発防止策、未然防止活動実施状況の確認などについて討議され、承認されます。合わせて、安全推進委員会委員長および安全統括管理者から安全に関する勧告や改善の指示が示されます。

  • 安全部長会

     安全部長会は、各専門機能(運航・整備・客室・空港)の主管部門長により行われる会議で、全社的にリスクの高い事象の把握と対応の進捗管理や、各専門機能におけるSMSの実施状況について共有し、組織横断的なSMSの推進を図ることを目的としています。

  • 各専門機能における安全品質に関わる会議

     各部門の安全品質に関わる会議を定期的に開催し、現場の再発防止策や未然防止活動の実施状況を把握するとともに、具体的なリスク評価を行い、安全部長会へ報告します。また、現場のSMS実施状況を把握し、部門間の意思疎通を図ります。

  • 内部安全監査

     会社のSMSが、適切かつ有効に機能しているか、また、環境の変化に応じて継続的に改善されているかどうかに着目し、SMSのPDCAサイクルの"Check:見直し"の機能を遂行しているのが内部安全監査です。弊社の内部安全監査は、各組織の個別業務および特定の機能に着目して社内横断的に実施する定期監査と、変化する環境へのSMS追従を確認する臨時監査で構成されています。これらの監査業務を担当するのは、社内規程で定められた所定の訓練を修了して資格発令された内部安全監査員で、公平で客観的な監査を実施するため、各自の専門性と監査員としての力量の向上に努めています。
     2021年度は安全に関わる業務を対象に計10回の定期監査を実施し、監査側と被監査組織が「協働」して、SMS改善プロセスを継続的に進めています。

  • ANA社によるコードシェア監査

     弊社は、ANA社との間で共同運航(コードシェア)を実施しています。このため、弊社の安全管理体制が、ANA社が要求する安全水準(国際的なIOSA基準を適用)を満たしていることを確認するため、ANA社より2年に1回、コードシェア監査を受審しています。

  • 安全報告制度

     弊社では、運航に障害を及ぼす可能性があるあらゆる事象について、その報告手順を定め、安全報告制度として運用しています。その概要は次の通りです。

    1. 法令上の義務報告
       航空会社は、航空法により、「事故」「重大インシデント」「安全上のトラブル」などの「安全上の支障を及ぼす事態」について、報告が義務付けられています。
    2. 社内規定に基づく報告
       直接運航に携わる社員は、機長報告、客室乗務員報告、運航管理者報告、整備不具合事象報告等による報告が関係規定類により義務付けられています。
    3. 自発報告
       ヒヤリハット事象に関して、情報を収集し適切な対応を図り、不安全事象の未然防止活動に役立てるため、自発報告制度を設けています。
  • 飛行データ解析プログラム

     運航の安全品質を向上させることを目的として、FOQA(Flight Operational Quality Assurance)プログラムを実施しています。このプログラムは、当社が運航する全ての便の飛行記録を収集し、解析・評価することで、日常運航の中の不安全要素を特定し、是正していくものです。また、収集した飛行記録をビジュアル画面に表示したDRAP(Data Review and Analysis Program)の機能を有効に活用し、その結果を運航乗務員および組織にフィードバックし、日々の安全運航の維持に役立てています。

  • 各生産本部(運航本部・整備本部・運送本部)での活動

     日常運航における問題点は、各部門において、前述の安全報告制度により、組織的に把握されます。各部門では、報告された問題点に直ちに対処し、重要度に従って事例の周知、是正、再発防止策の対策を実施し、複数の本部にまたがる問題については、安全推進室が全社的な調整を図っています。いずれの場合も、安全に関わる重要な問題・事象は、安全推進委員会および航空局の所管部署に適時報告し、当該事象の改善を図ります。

3-3 アルコール対策への取り組み

 2018年度に運航乗務員による飲酒事案を発生させたことに伴い、国土交通省より厳重注意を受けました。これを踏まえ、再発防止策として以下の対策を継続して実施しています。

  1. アルコール検査の厳格化
     飲酒に対する厳しい基準を設定し、高精度のアルコール検知器を配置して検査を実施しています。
  2. 飲酒意識の改革
     全社員へのアルコール教育の実施、およびアルコール依存症傾向の社員の把握と指導を行っています。
  3. 飲酒対策会議の開催
     毎月飲酒対策会議を開催し、各部署の対策実施状況の確認、運用面での課題の把握と対策に努めています。

3-4 新型コロナウィルス対策への取り組み

 世界的に蔓延している新型コロナウィルスは、未だに終息が見えない状況が続いています。
 AIRDOは安全を最優先とした運航体制の堅持を第一に、感染予防対策を講じ、公共交通機関の使命として毎日就航全路線の運航を続けています。

  1. 搭乗手続き
     空港カウンターにビニールカーテンまたはアクリル板を設置、係員はマスクを着用し、自動チェックイン機や車いすは定期的に消毒を行っています。
  2. 搭乗口
     飛沫感染防止のため、係員はマスク(フェイスシールド)を着用します。
  3. 機体
     機内の空気は常に機外から新しい空気を取り入れ循環させ、その後機外に排出させることにより約3分で入れ替わる仕組みになっています。
     AIRDOが運航する全ての航空機には、機内で循環する空気を清潔に保つための高性能空気フィルターを装備しています。このフィルターはウィルスや細菌などの粒子を99.9%取り除く性能があるものです。
  4. 機内
     客室乗務員はマスク・手袋を着用します。機内は毎便の清掃と毎日夜間の消毒を行っています。

3-5 安全に関する社内啓発活動

 弊社は、SMSをより有効で効果的なものにしていくため、社員の理解促進と意識向上に向けた種々の安全啓発活動を継続的に実施しています。

2021年度の活動内容

  1. 新年度安全ポスターを作成、掲示
     安全方針、安全重点施策、安全指標・安全目標値を記載した、社内掲示用ポスターを作成、各職場に掲示しました。


    (安全ポスター)

  2. タービュランスセーフティキャンペーン

     機内で放映している「安全ビデオ」の視聴を全社員に促し、タービュランスに関する認識、手順の再確認、周知を図り、意識啓発を行いました。


    (安全ビデオ)

  3. ヒヤリハット投稿強化キャンペーン
     安全重点施策および安全指標・安全目標値の達成に向けて、未然防止活動の全社的な浸透を図りました。
  4. 社内安全講演会の開催
     例年、安全強化期間において社内外の講師による講演を実施しており、今年度は西日本旅客鉄道株式会社の役員を招いて「福知山線脱線事故」についての講演をして頂き、安全対策や安全意識の重要性について理解を深めました。


    (安全講演会の様子)

  5. 安全啓発誌「Safe DO」の発行
     各部署からメンバーを選出し、社内外の安全への取り組み事例や事故事例、インシデントの紹介、安全に関する法令や方針の変更等、安全に関する情報を幅広く掲載する冊子を定期的に発行しています。社内イントラネットを通して全社員へ共有を行いました。


    (安全啓発誌「Safe DO」)

  6. 「機内緊急事態発生時の援助方法」出前講座の実施
     緊急時に求められる最低限必要な知識を確認し理解を深める為、全社員を対象に実施しました。


    (出前講座)

  7. 全社員を対象とした安全調査アンケートの実施
     社員の安全に関する意識レベル、階層・組織間における意識レベルのギャップを測定し、更なる安全意識の向上と継続的改善に取り組みました。
  8. 安全教育
     SMSの浸透を図るため、要員に対する教育・訓練を実施し、組織内の安全文化の醸成を図りました。
  9. 安全統括管理者との安全対話の実施
     安全意識の向上と安全文化の醸成を目的として、マネジメント層と定期的に対話(意見交換)を行いました。


    (安全統括管理者との安全対話)

  10. 安全巡回
     年末年始の多客期に社長および安全統括管理者による職場巡回を行い、現場社員とコミュニケーションを図りました。


    (安全巡回)

  11. 安全研修

     安全について考えることを目的として、2021年度は運輸安全委員会の事故調査官の方を招いて「航空事故調査について」お話頂き、事故調査に対する理解を深めると共に安全意識の向上を図りました。


    (安全研修)


(安全ポスター)


(安全講演会の様子)


(安全啓発誌「Safe DO」)


(出前講座)


(安全統括管理者との安全対話)

3-6 使用機材および輸送実績

使用機材情報

機種 機数
(注1)
座席数 平均年間飛行時間 (注2) 平均年間飛行回数 (注2) 導入開始時期 平均機齢
B767-300ER 4 288/270 2,115 1,663 1998.3.27 18.8
B737-700 8 144 2,097 1,562 2012.10.23 14.9

弊社全体の平均機齢:16.2年

(注1)
2022年3月31日時点での各型式の保有機数です。
(注2)
それぞれ年間の飛行時間と飛行回数を、各型式の年度末時点の保有機数で除した値です。

機種別輸送実績 (注1) ( )は前年度数値

機種 便数 座席キロ (注2) 旅客キロ (注2)
B767-300 6,627(3,582) 1,740,556(948,092) 838,457(378,362)
B737-700 12,347(9,954) 1,748,045(1,406,254) 859,436(600,861)
合計 18,974(13,536) 3,488,601(2,354,346) 1,697,893(979,223)

路線別輸送実績 (注1)

路線 便数 座席キロ (注2) 旅客キロ (注2)
羽田 ⇔ 札幌 6,958 1,431,013 746,463
羽田 ⇔ 旭川 1,949 533,351 232,808
羽田 ⇔ 函館 1,309 221,529 120,680
羽田 ⇔ 女満別 1,624 280,159 132,406
羽田 ⇔ 帯広 1,634 236,679 120,685
羽田 ⇔ 釧路 1,337 198,689 102,899
札幌 ⇔ 仙台 1,352 129,273 50,263
札幌 ⇔ 神戸 1,317 237,250 90,545
札幌 ⇔ 中部 769 120,038 63,579
函館 ⇔ 中部 719 99,395 36,542
羽田 ⇔ 羽田 2 220 98
旭川 ⇔ 中部 2 352 316
帯広 ⇔ 神戸 1 306 286
帯広 ⇔ 広島 1 346 323
合計 (注3) 18,974 3,488,601 1,697,893
(注1)
上記輸送実績には、ANAとのコードシェア運航に伴う座席販売分を含みます
(注2)
座席キロ : 各飛行区間の提供座席数にその区間の距離を乗じたものです。
旅客キロ : 各飛行区間の有償旅客数にその区間の距離を乗じたものです。
(単位:千座席キロ・千旅客キロ)
(注3)
合計の値が、各路線の合計値と異なるのは四捨五入によるものです。

4.運航上のトラブル発生状況等

 航空法第111条の4の規定に基づき、本邦航空運送事業者は、航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態(事故、重大インシデント、その他の安全上のトラブル)を国に報告することが義務付けられています。

4-1 事故

 弊社は、創業以来、航空事故(注)の発生はありません。

(注)航空事故
 航空法第76条、航空法施行規則第165条の2および第165条の3で定める、航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災、航行中の航空機の損傷(その修理が大修理に該当するもの)などの事態が該当し、国土交通省が認定するもの。

4-2 重大インシデント

 弊社は、創業以来、重大インシデント(注)の発生はありません。

(注)重大インシデント
 航空法第76条の2、航空法施行規則第166条の4に定める、航空事故には至らないものの、事故が発生するおそれがあったと認められるもので、航行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認められた時、滑走路からの逸脱、非常脱出、機内における火災・煙の発生および気圧の異常な低下、異常な気象状態との遭遇などの事態が該当し、国土交通省が認定するもの。

4-3 安全上のトラブル(義務報告)

 2021年度に弊社が国に報告した「安全上のトラブル」(注)は27件でした。いずれの事象も原因を分析し、必要な対応と再発防止策を実行しています。
 発生した全ての「安全上のトラブル」に対して、担当部署において原因の調査分析を行い、必要な改善、対策を進め、再発防止に取り組んでいます。

(注)安全上のトラブル(義務報告)
 航空法第111条の4、航空法施行規則第221条の2第3号、第4号に定める、航空事故や重大インシデント以外の、その他の航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態で、国土交通省への報告が義務付けられたもの。
 これらのトラブルが積み重なった場合には事故を誘発することにもなりかねないものの、個々のトラブルは航空機の安全運航にほとんど影響がなく、直ちに航空事故につながるものではありません。

トラブル別の発生状況

報告内容 件数(内訳)
システムの不具合 0
・発動機、プロペラ、回転翼及び補助動力装置が正常に機能しない状態となった事態 (0)
・機内放送が使用できないような機内放送装置の故障 (0)
・燃料搭載量の表示が喪失又は誤表示となる燃料油量計系統の故障 (0)
・抽出空気の漏洩を検知できない抽出空気漏洩感知システムの故障 (0)
・警報機能の機能喪失 (0)
非常用の装置の故障 1
・非常脱出口の故障 (0)
・非常用照明灯の一部不点灯 (0)
・非常用装置、非常用装備品の故障 (1)
・火災・煙の検知機能の喪失又は検知機能が低下するおそれがある警報装置の故障又は欠陥 (0)
規定値を超えた運航 2
・経路または高度からの著しい逸脱 (1)
・運用限界を超えた事態 (1)
機器からの指示による緊急の操作など 1
・航空機衝突防止装置(TCAS) (注1)の回避指示に従った回避操作 (0)
・対地接近警報装置(GPWS) (注2)の警報に基づく回避操作 (0)
・離陸時に、臨界点速度(V1)付近又は臨界点速度(V1)を超えた速度で発生した安全を損なう又はそのおそれのある事態 (1)
その他 23
・航空機乗務員が運航規程又は付属書に基づくアルコール検査を適切に行わなかった事態 (1)
・運送不可物品の輸送 (3)
・事実と異なる内容によって、出発前の確認を行った事態 (0)
・事実と異なる整備内容によって、整備の確認又は航空機基準適合証の発行を行った事態 (2)
・耐空性改善通報の整備作業要求等によらず運航した事態 (1)
・装備品または部品の誤った取付け (10)
・航空機構成部品が外れた事態 (1)
・航空機の構造の損傷 (1)
・主操縦系統又は関連タブ及びロックシステムにおける動作の制限、固着、鈍い反応又は反応の遅れ (2)
・逆推力の不作動又は意図しない作動 (1)
・推力又は回転数の制御不能 (0)
・機体及び装備品等の整備間隔又は装備品等の限界使用時間を超えて運航した事態 (1)
総件数 27

安全上のトラブルの概要

 2021年度、安全上のトラブルについて事例別の概要は以下の通りです。
【システムの不具合】
 発生はありませんでした。
【非常用の装置の故障】
 1件発生しましたが、原因となった部品の交換等の整備処置および機能確認を実施しました。
【規定値を超えた運航】
 2件発生しましたが、いずれのケースも一時的なものであり、適切に対応しており運航の安全に影響を与えるものではありません。
【機器からの指示による緊急の操作など】
 1件発生しましたが、速やかに点検を実施し、機材に異常が無いことを確認しています。
【その他】
 その他報告は23件ありました。運航乗務員がアルコール検査において、検知器の異常と自己診断し定められた手順を一部省略した事案が1件ありました。今回の手順逸脱を踏まえた手順の改訂を行い、組織として確実な手順の遵守を強化しました。
 輸送不可物品の輸送3件は、お客様が携帯していたクレベリン(※)を機内で発見した事案が1件、バッテリー内臓型ヘアアイロンの輸送が2件ありました。
 機体整備作業中に誤った部品の取付けが10件確認されましたが、正規部品への交換を行い、機能確認を行いました。今回の誤った部品取付けを踏まえ、再発防止策を設定しました。
 (※クレベリンは新型コロナウィルスの感染予防として使用される除菌製品ですが、一部の商品は腐食性物質として危険物の対象となります)

安全上のトラブルの実績

【ヒューマンエラーに起因する報告件数(航空局届出指標)】
 目標値 4.05件/1万便
 実績値 8.70件/1万便
 ヒューマンエラーに起因する報告件数は16件ありましたが、その内9件は客室の座席のカバーやクッションであり、正規部品への交換と再発防止策を設定しました。
【発生から90日以内に最終再発防止策提出の達成率(社内指標)】
 目標値 80.0%
 実績値 83.9%
 安全上のトラブルに対する要因分析、対策立案を可能な限り速やかに実施することは早期の未然防止・再発防止に繋がり、安全性の向上に重要なことから、全社で取り組みを強化しています。

(注1) 航空機衝突防止装置(TCAS)
 自機の周辺に他機が存在することを運航乗務員に知らせ、かつ回避操作を自動的に指示するものです。通常の管制指示による運航の場合でも、他機との位置関係等により作動することがあります。
(注2) 対地接近警報装置(GPWS)
 航空機が地表や海面に接近した場合に運航乗務員に警報を発する装置ですが、危険がない場合でも地形等により作動することがあります。これらは、機器の指示に従って運航乗務員が適切な操作を行うことにより、安全上の問題が生じない設計となっており、いずれのケースでも、機器の指示に従った適切な操作が行われています。
【具体例】
 航空機Aが高度31,000フィートを巡航中、航空機Bが30,000フィートで水平飛行に移行する予定で上昇していく状況において、TCAS装置は、航空機Bが水平飛行に移る予定であることまでは認識できないために、航空機Bがそのまま上昇を続けて航空機AとBが接近してしまう可能性を排除するため、安全上指示を行います。

機種別の発生状況

年度別の発生状況

年度 2019年度 2020年度 2021年度
発生件数 46 24 27
1万便あたりの発生件数 21.4 17.7 14.2

4-4 イレギュラー運航(航空局基準)

2021年度のイレギュラー運航 (注)の発生は8件でした。発生原因のほとんどは機材の故障によるものですが、集中傾向は無く、個別の事象に対し原因の分析を行い、適切な再発防止策を実施しています。

機種 2019年度 2020年度 2021年度
B767-300 3 0 3
B737-700 3 3 5
合計 6 3 8

(注) イレギュラー運航

イレギュラー運航とは、航空機の多重化されたシステムの一部のみの不具合が発生した場合に乗員がマニュアルに従い措置したうえで万全を期して引き返しなどを行った結果、目的地などの予定が変更されたものなどを指します。一般的には運航の安全に直ちに影響を及ぼすような異常事態ではありません。
 具体的には、次のような場合が、イレギュラー運航に該当します(ただし、航空事故又は重大インシデントに該当する場合を除きます)。

  1. 離陸後に目的地を変更した場合(機材の不具合等によるものに限ります。)
  2. 出発地に引き返した場合(機材の不具合等によるものに限ります。)
  3. 航空交通管制上の優先権を必要とする旨を通報した場合(機材の不具合等によるものに限ります。)
  4. 航空機が他の航空機又は物件と接触した場合
  5. 航空機が滑走路から逸脱した場合
  6. 滑走路を閉鎖する必要があるような運航があった場合(滑走路点検のために閉鎖するものを除きます。)

 事象の概要は、国土交通省のホームページ内(航空安全に関する統計、報告等)にも掲載されています。
 https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000191.html

5.2021度および2022年度の安全指標・安全目標値

5-1 国からの命令・指導等

 2021年度、弊社が国土交通省から受けた行政処分、行政指導等はありませんでした。

5-2 2021年度 安全指標・安全目標値・実績

 安全指標並びに安全目標値の実績は下記の通りです。

2021年度 安全指標・安全目標値・実績

安全指標 目標値 実績
事故・重大インシデント 0件 0件
アルコール検査での検知・失念 0件 1件
ヒューマンエラーに起因する安全上のトラブル報告件数(委託先を含む) 4.05件/1万便 8.70件/1万便

5-3 2022年度 安全指標・安全目標値

 安全指標並びに安全目標値を下記の通り設定しました。

2022年度 安全指標・安全目標値

安全指標 目標値
事故・重大インシデント 0件
アルコール検査での検知・失念 0件
ヒューマンエラーに起因する安全上のトラブル報告件数(委託先を含む) 5.54件/1万便

 「事故・重大インシデント0件」については、航空会社の最大の使命として、引き続き安全指標・安全目標値に定めます。2021年度、未達成となりました「アルコール検査での検知・失念」については、検知器の異常と自己判断し定められた手順を一部省略した事案でしたが、再度発生させないよう強い危機感を持って0件を目指します。
 また、「ヒューマンエラーに起因する安全上のトラブル報告件数(委託先を含む)5.54件/1万便」を掲げます。

2021年度 安全報告書
株式会社AIRDO
編集:安全推進室 安全推進部

安全報告書PDF版を見る